AIを文房具のように使えるか
さらにもうちょっとテクニカルな話をすると、これから引き続き伸びるものの一つは動画です。「動画の時代」と言われて久しいですけども、動画を作るスキルを持ってる方はまだまだ少ないです。単価もまだまだ高い。今、自動でお絵かきができるAI、何か言葉を言うだけですごい絵を書いてくれるAIみたいなのが話題になってますけども、これが動画にも適用されていきます。ですから、こういうツールを使いこなすような新しい職種、たとえば「AIを文房具のように並べてこういうことをしたければ、これとこれとこれを使って、こういう言葉で、こういうコマンドで操作すると望みの結果が出ますよ」みたいなことを教えてくれる、いわば「AIトレーナー」のような新しい職種もこの5年以内に生まれると思います。
もう一つ関連しているのが3Dの世界ですね。メタバースとかV Tuberとか最近流行ってますけども、3Dのモデリングってまだまだめちゃめちゃハードルが高いんですよね。それをAIで助けてくれるようなもの出てますけども、引き続き動画と3Dモデリングはクリエイティブの世界でも非常に単価が高く、かつ人材がいないんですよね。こういったところがスキル軸として新たに出てくるかなというふうに予測しています。
峯崎:勉強になりました。まさに、最近は「セールスフォース・スペシャリスト」とかサイボウズの「キントーン・スペシャリスト」とかそういう職種も増えていて、ツールを使いこなす仕事みたいなものも新しく定義されてきているように思います。
リスキリングは仲間と一緒に
桜井:ありがとうございます。約1時間にわたってお送りしてまいりましたけれども、最後一言ずつ、自分のスキルをもう一歩上げたいと思っている方々に、一言ずつエールをいただけますか。
峯崎:そうですね、今日何度か出ましたけれども、時代に合わせて変化していくこと。そのために学習していくことは本当に大事になってくると思います。弊社のアンケートや調査では、現時点でリスキリングに取り組んでいる人は全体でまだ30%ぐらいしかいません。そして、そのうちの80%くらいは「仕事で必要性を感じて自発的に始めた」と回答しています。自分からどんどん勉強していくのってなかなか難しいんですが、今ある仕事で専門性を磨いていくことにフォーカスしていると、時代の変化に伴ってそれが必要なスキルになってくこともあるので、「とにかく何か新しく学ばなきゃ」と焦るよりは、今自分がやりたいことを追求したり、求められていることに応えようと頑張っていくことも、立派なことですし大事なことですよ、というのは伝えたいですね。1人1人が自分自身を高めていくことは、日本社会にとっても必要なことだと思うので、僕自身も含めて頑張らなきゃなと思いました。ありがとうございました。
村上:本日はありがとうございました。私から一つ強調しておきたいのは、働きながらリスキリングするとか学ぶって結構難しいですよね。やっぱり自分だけでやろうとしても続かない。筋トレと一緒です。なので、できれば仲間を作る方がやりやすいと思います。身の回りで、お友達同士で興味があるところを一緒に学ぶと、結構お互い学び合うこともできますし、かつ、やる気が出ないときにちょっと励みにもなるじゃないですか。それに、人間は悲しいかな、比較しないとわからない動物なので、リスキリングをする時も比較することが大事かなと。例えば身近に尊敬する先輩とか、ロールモデルになるような方がいるのであれば、その方と今の自分を比べて何が足りないのかを考えると、具体的にやるべきことが見えたりもします。
もしくは実際に求人票を見るという話を今日しましたけども、次にこんな仕事がしたいというものがぼんやりでもあると、そこと今の自分とのギャップがわかるんですよね。ギャップがわかると、具体的に何をすればいいのかわかる。何かと何かを比べて自分をどう高めていくかを考えた方が、より効率的ですから、頑張っていきましょう。
桜井:ありがとうございます。本日、途中で回線が乱れまして大変失礼いたしました。今後も、皆さんのリスキリングに資するようなウェビナーをどんどん行っていきたいと思います。ご出演いただいた村上さん、峯崎さん本当にどうもありがとうございました。
(おわり)