「コーヒーはネルドリップ」のこだわり

数あるメニューのうち、看板商品といえるコーヒーには、ネルドリップ抽出のこだわりを貫く。片面を起毛させた布「フランネル」のフィルターを使って、まろやかな味わいを引き出す。繊細な手仕事が求められるネルドリップを、専用コーヒーマシンで実現した。「目が細かいネルを使うことによって、えぐみを排した風味を引き出せる」(小宮山社長)

コーヒーの味を決める最大の要素である豆も進化を続けている。最も大きかったのは、2013年にコーヒー大手のキーコーヒーと資本・業務提携を結んだことだ(現在は持ち分法適用会社)。コーヒー豆に関する知見が深いキーコーヒーから様々なアドバイスを受けて、豆選びに磨きがかかった。

キーコーヒーがインドネシアで復活させた貴重な豆「トアルコ トラジャ」も主力メニューに加わった。「コーヒーの魅力を深掘りするうえで、キーコーヒーからの助言は貴重だった」と、小宮山社長は提携の意義を語る。

銀座ルノアールの小宮山誠社長

ただ、コーヒーのクオリティーを高めるためには、豆や機材だけでは足りない。現場で実際にコーヒーを淹(い)れるスタッフにはオペレーションの負担がかかる。機材の導入やコーヒー豆の変更に関しては「現場スタッフと話し合って、理解を取り付けた」(小宮山社長)。キーコーヒーとの資本・業務提携から来年で10年。コーヒー業界の巨人と組んだ成果はカップの中で実を結びつつあるようだ。

近年はレトロブームが広がって、ホットケーキやクリームソーダに代表される「昭和」の喫茶メニューに見直しが起きた。内装コンセプトに「昭和モダン」を掲げるルノアールにも「若い層が増えた」(小宮山社長)。食べ物にもミックスサンドウィッチやピザトーストなど、懐かしいメニューがそろう。新メニューの開発も重ねていて、「厚切りたまごサンドはだしを使った味わいとしっかりしたボリュームが好評」(小宮山社長)という。

新たな顧客を呼び込もうと、12月8日から始めたのは「銀座ルノアールの日」。毎月8日に持ち帰り商品(フードとケーキ)を購入すると、待っている間に店内で飲めるブレンドコーヒー1杯を無料サービスしてもらえるサービスだ(1回の会計ごとに1杯)。「喫茶室ルノアール」のほか、「Cafeルノアール」「Cafe Renoir」「Cafe Miyama」「瑠乃亜珈琲」の各店舗(一部の店舗を除く)が対象だ。

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喫煙ブースを今後3年で全店に