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本音さく裂する女子会 男子入ってまろやかに

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 女子会は楽しい。気の置けない仲間と交わす遠慮のない本音トークはすっきりする。だが時折、会話はどぎつくなり、さすがにうんざりすることも。そんなとき場の空気をまろやかにする「女子会男子」が重宝がられている。女子会はどこへ――。最前線を追った。

きつい発言、すかさずフォロー

7月上旬。東京・渋谷のイタリア料理レストラン。テーブル席で20代の女性4人と、男性1人がランチパスタを食べながら恋愛トークで盛り上がっていた。

「先日、友達の紹介で知り合った人と初めてデートしたんだけど、話がかみ合わなかった。悪い人ではないんだけど、つきあい続けるかどうかビミョー」と女性の1人が打ち明ける。

「そんなのやめちゃえ、やめちゃえ」。他の女性は遠慮がない。すると紅一点ならぬ、"青一点"の男性がすかさずフォロー。「確かに話を聞いていると何となく合わなそう。もっと気の合う人いるよ。よかったら、だれか紹介しようか」

男性は都内在住の会社員の倉沢矩之さん(26)。行きつけの美容院の美容師の赤津まゆ美さん(25)に、同僚4人で女子会をやるから来ないかと誘われて来た。

赤津さんは同じメンバーで月1回ほど女子会を開いている。何でも打ち明けることができるほど、仲がいい関係だ。しかし1年以上たち、回を重ねるごとにマンネリ化。少し目先を変えてみたかった。

女子会にはあくまで友人として参加

女子会では彼氏に対する不満など愚痴をつい言いたくなる。「女性だけだと周りの目を気にしないから『別れちゃえ』とか、ついヒートアップする。雰囲気が悪くなることもしばしばだった」(赤津さん)

そこで、気さくで美容室のスタッフとすぐに打ち解ける倉沢さんに相談し、参加してもらうことに。「倉沢さんに入ってもらったら、みな『悪いことをしゃべり過ぎないようにしよう』と、気をつかうようになった。男性のほうが冷静に恋愛トークに意見をしてくれるし、参考になる。雰囲気がだいぶよくなった」と赤津さん。時々男性に参加してもらうことにしたという。

一方の倉沢さん。「もともと人と話すのが好き。女子会はあくまでも友人として参加しているので気楽だし、純粋に会話を楽しんでいる」と新たな役回りに満足げだ。

年に300回ほど女子会に呼ばれる

会社員の霜田明寛さん(28)も、月に1回は友人や同僚の開く女子会に招かれる「女子会男子」。倉沢さんと同様、もっぱら盛り上げ役だが、女性ならではの相談を受ける場合も多い。

霜田さんと女子会を楽しんだ20代の女性は「表情は優しく、しゃべり方がソフトで親身になって話を聞いてくれる。交際時の突っ込んだ相談など、他の男性には絶対に聞けないような悩みなんかも安心して相談できる」と話す。

様々な女子会に引っ張りだこの霜田さんだが、趣味はジャニーズJr.やファッション。共通の話題も多く、「天職」のようだ。

PR会社スリースマイル(東京・目黒)社長で女子会に詳しい荒井健治さんは「最近、男性を女子会に呼ぶケースが増えている」と話す。自身も年に300回ほど女子会に呼ばれるという。

マンネリ化した女子会、イベントで刺激

男子を呼ぶだけでなく、マンネリ化する女子会をモデルチェンジする動きも増えている。東京・西麻布の写真スタジオ。ピンクや青など、結婚式に招かれた際に着るようなドレスを身にまとう女性5人組が、順番にカメラマンの前でポーズを決めている。「うわ~、自分じゃないみたい!」「かわいすぎるよ!」――。

この女性グループは会社の同期で、数週間に1度は女子会をするほど仲がいい。評判の居酒屋やカフェを開拓しながら場所を変えてきたが、「もっと雰囲気を変えたい」と、取り入れたのが撮影女子会。参加した岡崎美奈さん(25)は「お互いを褒め合ったり写メールで撮りあったり、普段は見せない姿を見せるだけですごく会話が盛り上がる。いつもの愚痴や恋愛話はほとんどしなかった」と満足そう。

サービスを提供するのはその名も撮影女子会(東京・港)だ。同社が昨年3月から始めたサービスで、価格は1人あたり1万6800円から。通常の女子会の4~5倍はするが、口コミで広がり、休日は1カ月先まで予約でいっぱいという。

スリースマイルの荒井さんは「女性もこれまでのワンパターンの女子会に飽きてきた」と指摘。昨年3月からは占いやサバイバルゲームなど様々なテーマの女子会イベントの展開を始めた。「週に1回程度のペースで開催しており、常に満席の状況」(荒井さん)だ。女子会は形を変えて、進化しつつあるようだ。(出口広元)

[日経MJ2014年7月23日掲載]

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