怒りの神像がまとう青い慈悲
金峯山寺(奈良県吉野町) 古きを歩けば(30)
ほの暗い堂内に入ると巨大な三神像が目に飛び込む。金峯山寺(奈良県吉野町)の金剛蔵王権現像(国重要文化財)だ。中尊は7メートルを超えるが、大きいだけでなく、みなぎる怒りに圧倒される。口から牙がのぞき、まさに怒髪天をつく。なにゆえの憤怒相なのか。
■「魔を退ける」役行者が出現させる?
寺伝は、7世紀後半に修験道を開いたとされる役行者が金峯山で修行、人々を悟りに導くために神を出現させたと伝える。当初、...
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。