弥生の息吹呼び覚ます西播磨の里人新宮宮内遺跡(兵庫県たつの市) 古きを歩けば(29)

2012/5/15

西播磨地方を南北に流れる揖保川。中流域に開けた盆地に弥生中期、大集落が営まれていた。その跡は現在は新宮宮内遺跡と呼ばれ、歴史公園として整備が進んでいる。地域史を子供たちに伝えようと、このほど住民らの手で竪穴住居が復元された。

兵庫県たつの市の国史跡、新宮宮内遺跡で、このほど市民ボランティアによって復元された弥生中期の竪穴住居

「茅の確保が一苦労」

遺跡は3年後の完成を目指し、歴史公園として整備中。居住域と墓域を区画していた溝などがすでに復元され、弥生集落の構造がよくわかる

「屋根を葺(ふ)いたのは45年ぶり。こつを思い出しながら作業したけど、できばえはいまひとつやな」。屋根葺き職人だった経験を生かし、住居復元に参加した中田義晴さん(79)はこう語りながらも「久しぶりやし」と笑みがこぼれる。「材料の茅(かや)を確保するのが一苦労やった。皆に『あっちにある』『こっちで見た』と教えてもらい、市内一円から刈り取って集めた」と振り返る。

整備中の公園内に直径約10メートル、高さ約6メートルの竪穴住居が完成したのは4月末。指導した兵庫県たつの市教育委員会の義則敏彦さんは「市民ボランティアが復元した竪穴住居は他にもありますが、県内ではこれが最大では」と話す。

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