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「いいとも!」終了で、喪失感埋めるタモリ本が人気

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 32年間、毎日見てきた番組が終わった。あのサングラスの笑顔を、お昼休みにウキウキウォッチングできないなんて――。そんな「タモロス」に陥っている全国のタモリファンの心の穴をがっちり埋める、"効く"タモリ本をピックアップした。

2013年10月、生放送中に突然発表された『笑っていいとも!』(フジ系)終了宣言直後から、タモリと『いいとも!』に関する本が続々発売。番組の最終回にタイミングを合わせて、雑誌から書籍、新書、ムックと、まるで"追悼"のごとく関連本が出版された。

「1人の人物をテーマにこれだけ本が出ることは珍しく、しかも、ここまで一時期に集中すれば当たり外れがあって当然なのに、まんべんなく売れています」とは紀伊國屋書店新宿本店の須藤保子氏。書店員が"タモリさん本バブル"と称するほどの異例の事態なのだ。

売れている理由は明確だ。どの本も、タモリヘの愛に満ちあふれているのである。膨大な資料を調べ上げた著者も、タモリと『いいとも!』について語るゲストも、企画者も編集者も、とにかくその本に携わった者全員が、尋常ならざるタモリ愛を注ぎ込んでいる。それが、国民的番組を失って"タモロス"に陥った私たちの心を、ギュッとつかみ、癒やすのである。

爆笑問題・田中裕二に「意味のあることをしてくださいよ」と言われて返した「俺のやることに意味なんかあるわけないだろ!」という名言。46分の最長記録を打ち立てた(30年後に破られる)黒柳徹子の回の「テレフォンショッキング」。そして番組終了を笑福亭鶴瓶がサプライズで発表するくだりなど、数々の有名なエピソードがどの本にも登場するが、何度読んでも味わい深い。タモリの魅力とともに、『いいとも!』という、テレビ史上希有な番組の存在意義について考えてみるのも面白い。

本人の著作はほとんどなし、語りたくなる謎めいた存在

タモリ本で興味深いのは、「あれほどの大物であるにもかかわらず、彼自身の手による、あるいは彼自身が登場する本は、ほとんどない」(前出の須藤氏)こと。

例えば『僕たちのタモリ的人生論』は様々なメディアでタモリが発した名言を集めたものだ。『タモリさんに学ぶ 話がとぎれない 雑談の技術』も、番組などでのタモリの会話術を解説したもので、タモリが教えるわけではない。タモリ自身の著作は芸能生活の初期に出したものと、番組関連の本が少しあるだけで、あとはすべて、第三者、それも直接交流のない人物による『タモリ論』『タモリ学』『タモリ伝』なのだ。

ムックではタモリ周辺の人たちがタモリ愛を熱く語る。レシピ本も、テレビで放送されたものをまとめたもの。どこにも本人は出てこないし、ビジュアルといえば似顔絵かサングラスのアイコンで、写真すら使われていない。現役タレントなのに、伝説の人のようなこの扱いもまた、タモリならではの現象だ。私たちが知っている(つもりになっている)タモリは、彼のほんの一面であり、100人が語れば100通りのタモリがいる。その謎めいた立ち位置がまた、多くの人を引きつけるのである。

芸の神髄は"なりすまし"、タモリ本でさらなる深みに

『いいとも!』以前のタモリについても、タモリ本にはたっぷり書いてある。「5歳のときに精神的なピークを迎えた」「保険外交員として働いていたときに結婚」「山下洋輔トリオに気に入られた」「赤塚不二夫の家に居候」など、デビュー前の逸話も強烈だ。"四カ国語麻雀"をはじめとするキワドい「密室芸」については、多くの本の中で、様々な人がその衝撃について熱く語っており、知っている人は大爆笑、知らない人は「生で見てみたかった」と歯ぎしりするに違いない。

その出生から現在に至るまで、タモリに関するほとんどの情報は、おそらく、今回ピックアップしたタモリ本に詳しく書いてある。それなのに、いくら読んでもその人物像を捉えることができないから不思議だ。まるで、のぞき込むほどに底が遠のく深淵のように、タモリの魅力はどこまでも深い。

32年間、毎日お昼時にテレビに出ていても、決して本質をつかませなかった。ただ、本人の発言の中にヒントはある。「俺の本当の芸は"なりすまし"ってやつだよね」。なりすまし。その神髄を垣間見るべし。

(ライター 剣持亜弥)

[日経エンタテインメント! 2014年6月号の記事を基に再構成]

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