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絶妙なもっちり感、シンガポールの「コーン味プリン」

世界のおやつ探検隊

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NIKKEI STYLE

 「アガアガ」って知っていますか。なんだかアゴが外れそうで、とてもスイーツに関係あるとは思えない響きですが、これが豊かな食感を生み出す素。シンガポールではポピュラーなお菓子なんだとか。見知らぬ「おやつ」との心ときめくような出会いを求め、ナショジオが結成した「世界のおやつ探検隊」。今回もおいしいおやつが飛び出しますよ。

誕生日の食卓に欠かせないものと言えばバースデーケーキ。ケーキは外来の食文化だけれど、現代の日本人の多くはこう思っているだろう。

ところが、「バースデーケーキは西欧の習慣でしょう。私たちの文化では誕生日に欠かせないのは、日本のそうめんのような、細いめんの料理なの。細長いめんの形状にかけて、長生きできますようにという意味が込められているんですよ」。そう教えてくれたのは、中華系シンガポール人のオン・レイ・クアンさんだ。

シンガポール(シンガポール共和国)は、国民の70%以上を中華系の人々が占めるが、マレー系やインド系といった人もいる多民族国家で、公用語の一つが英語。だから、もっと西欧的感覚が生活に入り込んでいるだろうと思っていたので意外です。

オンさんは、都内で開催される料理教室で、しばしばシンガポール料理の講師を務めている。その彼女が、ある教室で教える料理メニューの中に、「スイートコーン・アガアガ」というデザートがあると聞き、早速教室を訪れた。

スイートコーン(トウモロコシ)は我々がおやつ探検を重ねる中で、アジア各国や中南米でデザートやお菓子によく使われていることがわかった。しかし、アガアガは初めて聞く名前。いったい、なんだろう……。

手渡されたレシピを見て、アガアガはゼリーのようなお菓子のことだとあっさり判明。そうかゼリーか、ふんふんと思っていると「シンガポールでは、軟らかい食感のものをゼリー、硬い食感のものをアガアガと呼ぶんです」とオンさん。「日本でもゼリーと寒天は違うでしょ」。後で調べてみると、海草から作るアガアガは寒天と同様のものらしい。日本人に身近なこの食材が、海外でも定番食材だとは思っていませんでした。

シンガポールではアガアガパウダーと呼ばれる寒天パウダーを使い、ココナツパウダーやクリームコーンなどを混ぜてお菓子を作る。出来上がったスイートコーン・アガアガを食べてみると、クリーム状のコーンを使っているため、食感がもっちりしていて寒天に比べリッチな味わい。「コーン味のプリン」と言ってもいい。

ちなみに、ココナツミルクだけを使ったり、クリームコーンの代わりに小豆あんを使ったりしたアガアガもポピュラーなのだそう。「スイートコーン・アガアガは、パンダンを加えて作る場合もありますよ」。パンダンとはタコノキと呼ばれる植物の一種で、その葉が風味付けや緑色の食用着色料として東南アジアのお菓子によく使われる。パンダンを使うと緑色のプリンになるというわけ。思わず作ってみたくなる。

「パンダンを使ったシフォンケーキもポピュラーでおいしいんですよ」とオンさん。チャンギ国際空港をはじめ、シンガポール国内に何店舗も展開する菓子店「ブンガワン・ソロ」に売っているものがお薦めで、「娘も大好き。シンガポールに行ったときには、いつも買ってくるんです」と教えてくれた。

オンさんは、6、7年前に新宿にできた飲食店のメニュー作りも手がけている。お店の名前は「リトル アジア」。シンガポールのほか、マレーシア、トルコの料理を出す店だ。そこに、オンさんのレシピで作ったデザートがあると聞いて出かけてみた。

オンさんのデザートは、とろっとしたおかゆ状の黒もち米とココナツミルクを合わせたものだった。インドネシアの黒もち米のプディング「ブブール・クタン・ヒタム」に似ているなと思いながら、口に入れてみてびっくり。なにやら、清涼感のある独特の味がする。「もち米を炊くときに、パンダンの葉を入れているんですよ」と、店のオーナーのロビンさん。パンダンは、シンガポールデザートには欠かせないと言っていいぐらいの材料なんですね。

ココナツミルクに具を入れたお汁粉のようなこうしたデザートは、シンガポールの家庭でもよく作られるそう。具材としては、小豆や緑豆などもポピュラーだという。

ちなみに、レストランではどんなデザートがポピュラーなのかオンさんに尋ねると、「そうですね。小さく切ったメロンと"サゴパール"をココナツミルクに浮かべたものなどは、多くのレストランで出している人気デザートですよ」とのこと。サゴパールとはタピオカに似た、サゴヤシという植物からとれるでん粉で作った粒状の食材だ。

さて、オンさんと一緒に、インドネシア料理を紹介する別の料理教室に行ったときのこと。教室では「アボン」と呼ばれる牛肉を使った甘辛い味付けの、でんぶのような食材が出てきたのだが、オンさんは「シンガポールでも、魚や豚・牛肉から作ったこうしたものを、おかゆに入れたりチマキに付けたりして食べますね」と言う。

そして「トーストにかけて食べたりもするんですよ。バターを塗った食パンの上に載せて食べるとかね」と続けた。それは新鮮。ふと、バターを塗った食パンにのりを載せて食べるのが好きという友人を思い出す。食パンには、各国でその国ならではの食べ方があるんですね。

ちなみに、シンガポールには「カヤ」と呼ばれる卵とココナツ、パンダンを使った甘く濃厚なペーストがある。これを食パンに塗った「カヤトースト」は、これとコーヒーを売り物にする店があるほど。東京でカヤトーストの専門店が出店されたことがあるので、ご存じの方も多いだろう。このカヤ、ココナツミルクで炊いたもち米で作ったちまきに付けて食べたりもするそう。「本当かな……」と思ったけれど、日本のおはぎの感覚に似ているかもしれない。

特に、かつてマレー半島に移住した中国人男性とマレー人の女性の結婚によって生まれた食文化はニョニャ料理と呼ばれ、シンガポールやマレーシアの食を特徴づけている。

最後に注目したいのは、シンガポールのかき氷「アイス・カチャン」。あれ、マレーシアのデザートにもかき氷があるのだが、それも同じ名前だったような……。そう、マレー半島の先端にあり、対岸にはインドネシアの島々が広がるシンガポールは、マレーシアやインドネシアと共通する食文化が多いのだ。

日本でお目にかかるアイス・カチャンは、日本人の感覚に合うよう少しばかり上品にアレンジされたものもあるけど、本来は極彩色、レインボーカラーの一品。カチャンとはマレー語で豆の意味だが、「小倉あんはこのかき氷に欠かせない具材で、マンゴーとかキウイなどのソースをかけたり、ドリアンのペーストをトッピングしたりするんですよ」とオンさん。最近シンガポールでは、アイス・カチャンのバリエーションが目立って増えているそうです。

夏が終わったとはいえ、まだまだ残暑が厳しい季節。かき氷に極彩色のシロップをかけて、シンガポールリゾート気分を味わってみてはいかがでしょうか。

今回のおやつの生息地
リトル アジア
東京都新宿区歌舞伎町1-21-1 第2東亜会館ビル屋上 新宿アジア横丁内
電話:03-5285-0456

[Webナショジオ 2013年6月21日付の記事を基に再構成]

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