2013/6/11

本日入荷 おいしい話

赤玉と白玉、同じエサなら同じ成分に

殻の色はどうだろう。大きく分けて赤玉と白玉があるが、店頭では赤玉の方が高いように思える。赤玉の方がおいしいのだろうか。全農たまごの牧野さんに聞いた。

「殻の色は鶏の種類によって違います。例外もありますが、一般的には赤い羽の鶏は赤玉、白い羽の鶏は白玉を産みます。赤玉と白玉では、味や栄養価の違いはほとんどありません。同じエサで育てれば、成分はほぼ同じになります」

ではなぜ店頭では、赤玉を高く売っているのか?

「赤玉を産む鶏は地鶏の印象が強く、消費者に好まれる傾向があります。卵の業界では赤玉を産む鶏にいいエサを与えて高めに売ることが多かったので、赤玉=高級とのイメージが定着したのかもしれません」

赤玉を産む鶏は白玉を産む鶏に比べて体が大きめで、エサをたくさん食べる。これも赤玉の価格が高いことにつながり、高級イメージを増幅させている。

ちなみに鶏が1日に食べるエサの量は、現在では110グラム程度だという。毎日55グラムの卵を産む場合、1個の卵に2倍のエサが必要ということになる。

採卵鶏の先祖、大半は外国生まれ

農水省によると、卵の自給率(重量ベース)は2011年で95%。「国内で生まれた鶏が産んだ卵だから」(食料安全保障課)だ。しかし、エサを考慮すると一気に11%に下がる。さらには親鶏やその親鶏にまでさかのぼると、ほとんどが輸入だという。

卵を産む鶏(採卵鶏)の親鶏は、種鶏(しゅけい)という。種鶏の親が原種鶏、その親は原々種鶏だ。

鶏の改良を行っている独立行政法人、家畜改良センター岡崎牧場(愛知県岡崎市)によると、種鶏、原種鶏は大半がひなの状態で輸入される。その後国内の農場で育てられ、卵をかえし、採卵鶏のひなとして養鶏場に出荷される。「原々種の段階から国内で開発された純国産鶏はおよそ5%」という。

農水省動物検疫所がまとめた「初生ひな輸入状況」を見ると、2012年の卵用鶏の輸入量は約26万7千羽。原種鶏と種鶏がほとんどで、カナダ、米国、フランス、ドイツの4カ国で占めている。日本国内で日々卵を産んでいる約1億4千万羽の採卵鶏は、そのほとんどが海外生まれの鶏の子孫ということになる。

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鶏の育種会社、世界では2大グループの寡占状態に