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哲学・歴史・古典… 職場研修で教養を磨く グローバル化・法令順守に対応

2013/12/2

「海外では仕事以外での話題がないと人として信頼されない感じがする。できれば入社早々からこういうプログラムができれば」と強調するのは、電線メーカーのフジクラで研修の企画運営を統括する橋本広和さん。自身もエンジニアとして米国駐在も経験。リベラルアーツ研修を知り、お試し講座に参加してみた。「社員それぞれの倫理観や判断力も磨ける機会になるのではないか」。早ければ来年度の導入に向けて検討中だ。

そのフジクラに協力した研修会社、パンセ・ソバージュ・アンド・カンパニー(東京・中央)の中沢努社長は「近ごろはコンプライアンス(法令順守)の観点からも注目が集まっている」と明かす。

■当事者意識育む

最近も食品偽装問題が続々と判明したが、単純に法令順守の重要さを説いても「そんなことは分かっている」と流されがち。「哲学や古典を題材に、仕事観や人生観を深く考える機会にする。これは自分の問題だという当事者意識が芽生えやすい」という。

パンセ社への問い合わせは月平均40件程度と、ここ1~2年で6~7割増えた。世界市場、法令順守というキーワードに加え、東日本大震災などを機に何かにつけ“原点”を問い直すムードも背景にあるという。学生時代に身に付けておけと思われがちな教養だが、実社会でこそ心に響くという側面もありそうだ。

■日本文化「体験」も

日本能率協会のリベラルアーツ講座では京都合宿で龍安寺も訪問

世界史の教科書がベストセラーになるなど、歴史や哲学から教訓を学ぶことへの人気は根強い。産業能率大学総合研究所では10月から、社会人向け通信講座で「論語」「三国志」などに続く第4弾「戦国武将」編をスタート。「知っているつもりでも改めて気付くことが多い」と好評で、受講者は例年1千人を優に超えるという。

職場のニーズに応えて若手向けのプログラムを導入したのが日本能率協会。7月に初めて「リーダーのためのリベラルアーツ講座」を開いた。宗教や日本文化などを学ぶコースで、京都・龍安寺を訪れる合宿も盛り込んだ。通信や運輸、流通などから30~40代の人事担当者ら約10人が参加、反応は上々だそうだ。

座学研修だけではマンネリだとして、体験型研修を組み合わせるケースも多い。産能大総研は座禅体験付き講座「禅的仕事術」を11月中旬に開いた。「海外でのブームもあって『禅の基本くらいは知っておきたい』というビジネスマンが年齢や性別を問わず増えた」という。

近畿日本ツーリストは茶の湯や生け花、書道、伝統工芸などを要望に応じて組み合わせ、企業や大学向けに提供する文化体験プログラムを10月に始めた。担当者は「海外展開する企業の声を受けて企画したが、既に好感触の取引先が2ケタに達した。東京五輪招致で『おもてなし』に改めて注目が集まっているのも背景にある」と期待する。

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