誠意を伝えるお辞儀のコツ
マナーの研修前には会場に早めに入り、参加する方にあいさつをして迎えるようにしています。この際、知らない人がいる、と思うせいか、無視したり、目を合わせなかったりする人が多いですね。
こちらがあいさつした時、目をそらしてあいさつされてもいい感じはしません。目を合わせる「アイコンタクト」は大事です。
ペコペコしたお辞儀や、相手より早く頭を上げてしまう方も多いようです。相手よりも早く頭を上げずに、かといって慇懃(いんぎん)無礼にならないお辞儀のコツをお伝えします。
第1に重要なのは、アイコンタクトです。お辞儀の前後にアイコンタクトを意識しましょう。相手をにらまずに、あなたにお会いしてうれしいという目の表情が大切です。人の心は鏡なので、好意をもった明るい表情をすれば、好感度も上がるはずです。
第2に、言葉の終わりからお辞儀をすることを忘れないでください。そのほうがあなたの表情が、相手に伝わります。
第3に、お辞儀をしたら下で止まって下さい。下で1、2と数えて、15度の角度まで身体を起こします。15度の角度で止まると目線が下でも、相手の様子がよく分かります。それから相手よりやや遅れめに身体を起こします。さらに、身体を起こしたら反らせないようにします。重心をかかとに移さないのがコツです。
以上が相手より早く頭を上げず、誠意を感じさせるあいさつです。
(マナーデザイナー 岩下 宣子)
[日経プラスワン2012年6月30日付]