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働く女性の「サプリ映画」 戦う大人の女に共感

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 お気に入りの映画の、好きなシーンだけを見て、短時間に気分転換。働く女性の間で、そんな映画の活用法が広まっているそうだ。ワーキングウーマンたるもの、就寝や出勤の前、ぱっと元気になれるサプリメントのような1本を常備しておきたい。映画好きな女性に、お薦めの「マイ・サプリ映画」を聞いた。

「見ると元気になり、仕事のモチベーションが上がる映画」を複数選んでもらったところ、断トツは「プラダを着た悪魔」。回答者の3人に2人が挙げた。

名門大学の新卒女性が、不本意ながらファッション誌の編集部に就職。辣腕編集長の補佐に就く。「怖い上司の下でひたむきに頑張る姿に勇気をもらえる」「働く女性のサクセスストーリー」という理由で選んだ人が多い。

ファッション界の舞台裏を描き、華やかな衣装も魅力。ただしこの映画の肝は、上司を女性にした点ではないか。

こんな場面がある。ある男性が、この新卒女性を口説こうと同情してみせる。「君の上司って、サディストなんだろ?」

新卒女性は恨みを棚上げして答える。「確かに厳しい。でも彼女がもし男だったら、そんなふうに言われていないはず。ただ優秀な人って言われるだけ」。女性ゆえの人格批判、陰口、からかい、女同士の衝突を楽しむ男性の視線。それに対する鋭い反撃。思わずうなずく場面だ。

8位「アンカーウーマン」で新人女性キャスターを鍛えるのはベテラン男性で、やがて恋に落ちる。証券会社を舞台にした6位「ワーキング・ガール」では、上を目指す女性は汚い手か横紙破りを強いられた。米国社会で女性リーダーが増え、映画での描かれ方も進化してきたといえる。

2位は「セックス・アンド・ザ・シティ[ザ・ムービー]」。人気ドラマの映画版だ。文筆家、経営者、弁護士、画廊勤務の40代・50代女性4人が本音の会話を繰り広げる。

公開はリーマン・ショック前。「仕事も男もファッションもすべてにこだわり、完璧を求める姿が好きだった」と熱烈なファンは振り返る。バブル世代に支持が高いようだ。

おしゃれ系上位2作と一線を画すのが3位の「エリン・ブロコビッチ」と「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12カ月」だ。前者は弁護士事務所で働くシングルマザーを描き、「強く生きる姿に感動」との意見が多数。

さえないTVリポーターの奮闘を描く「ブリジット・ジョーンズ」シリーズや、女性料理人を主人公に据えた5位「幸せのレシピ」には「私生活と仕事のバランスを教えてくれる」「年齢と関係なく輝き続けようとする主人公が爽快」といった声が集まった。

調査では欧米・アジア映画と邦画を取り混ぜて選択肢に用意した。現在、日本の映画市場では邦画が優勢。しかし「働く女性」というテーマで見る限り、米国映画への支持が高い。ベストテンの大半が米国女性の活躍を扱う。

理由の一つは、大人の女性が働く姿をきちんと描き、同世代には共感を呼び、若い観客には将来の手本を示しているからではないか。

「幸せのレシピ」の主人公は人気レストランの料理長。厨房を任され、10人前後のチームを仕切る。副料理長も女性で、もうすぐ出産という体を抱え働く。妊婦が当たり前に仕事場にいるのだ。「エリン・ブロコビッチ」の主人公も全力で戦う大人の女性だ。

「プラダを着た悪魔」には、夫との関係、子育て、女性であるがゆえの注目のされ方に上司が悩む場面がある。新人女性との職業観の世代差も浮き彫りにしていく。働く女性をひとくくりにとらえる段階は、とうに卒業している。

日本映画で最高位の9位は「かもめ食堂」。日本人女性がフィンランドに食堂を開業し、善良な人たちが集まる。日本的な癒やし系の作品だ。

好きな理由は「飾らない等身大の女性に共感」「人生は何度でもやり直せると思える」など。店が繁盛するのは主人公がすご腕の持ち主だから。しかしその点は強調しない。そこが支持される。

マルサの女」は国税局査察官の女性が主人公。優秀で正義派の変人だ。公開は男女雇用機会均等法施行の翌年。男性と対等な立場で働く女性はまだ少数派で、信用されるには「男勝り」であることが求められた。

均等法ができて、まもなく30年。さまざまな職場で女性が働くようになったが、リーダー層への登用は少ない。ダボス会議を主催する世界経済フォーラムが今年秋発表した男女格差リポートでは、日本の男女の平等度は世界136カ国中105位と、昨年から4位下がった。

そんな風土を映画の中の女性も映すのか。今回の調査では2003年に公開された、ある警察映画を選択肢に入れた。女性が捜査の指揮を執る設定は斬新だったが、途中からヒステリックに怒鳴り始め、空回りし、更迭されてしまう。日本の実写映画では過去最高の興行収入を誇り、観客数は多い。しかし見ると元気になるベストテンには入らなかった。

◇            ◇

映画をはじめとする日本のエンターテインメントが描く「働く女性」を、当の女性たちはどう見ているのか聞いた。全般的に「満足・共感」している人が115人に対し、「不満がある・物足りない」人が198人。不満派が満足派のほぼ2倍と手厳しい。

最大の不満は「自分たちの悩みや不満、夢がリアルに描かれていない」点。以下「家、服、遊び方が不自然に豪華」「主人公の行動や価値観が男性目線の女性像」と続く。

期待を込めた苦言も多数寄せられた。まずは米国映画と対照的な若さ偏重ぶり。「若い女性ばかりで男性と同年齢の大人の女性がいない」「内容が子どもっぽい」「40代で老いも感じてきて、という作品がもっと見たい」

もう一つは物語の現実味。「(話の展開で)偶然が続く」「キャリアウーマンがまだ特殊なものとして描かれる」「机をふいたり給湯室でおしゃべりしたりという働き方が一般的というイメージを与える」「絵になる職種が限られるのか職業が定型的」

さらに「会社組織なのにチームの上下関係が分かってない」「悩みの解決方法が極端かワンパターン」「仕事の泥臭さ・地道さが足りない」「もっと現実を描写して」という声も。そもそも「働く女性が中心の映画の数自体が少ない」という意見もあった。

女性向けの映画や音楽を男性目線で企画すると、恋愛や結婚をテーマに据えがち。しかしマーケティングライター、牛窪恵さんたちの調査によると、働く独身女性が映画などを選ぶとき「恋愛・結婚」というテーマを意識する人が8.7%に対し、意識しない人が23.6%と圧倒的に多い。

本来、日本の作り手こそ、この国で働く女性たちの夢や悩みをよく理解できるはず。そろそろ自然体で信頼される女性リーダーを描く日本映画が登場してもいいころだ。

(編集委員 石鍋仁美)

 調査の概要 日経ウーマノミクス・プロジェクトの会員を対象に11月に実施した。80年代以降に公開された、働く女性が主役級のヒット映画25本を挙げ、自由回答も加えて集計。313の有効回答を得た。

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