男女差くっきり 海外ドラマ、人気ランキング
日経エンタテインメント!
映画界のスターやスタッフの参入などによりクオリティーの高い作品が次々と生まれ、黄金時代を迎えたといわれる米国ドラマ業界。日本での人気作も様変わりし、男女や世代別によっても好まれる作品に大きな違いが見られる。2014年のTSUTAYA年間レンタルランキング(2014年2月1日~2015年1月31日)を基にみてみよう。
まず男性は、20代が『ブレイキング・バッド』、30~40代と50~60代は『アンダー・ザ・ドーム』が一番人気。『ブレイキング・バッド』は高校の化学教師がドラッグ精製に手を染める過激な話題作。TSUTAYA商品本部MD部映像ユニットレンタルチームの中山知美氏は、「各界の著名人が推すなど、ネットやラジオ発の口コミで若者層に人気が広がった」(以下、同)とみる。『アンダー・ザ・ドーム』はスティーヴン・キング原作、スティーヴン・スピルバーグ製作という大物のタッグに加え、町が突然ドームに覆われる奇抜な設定とミステリー要素が男性受けしている。
30~40代で『ウォーキング・デッド』が3作入り、圧倒的に支持されているのも目を引く。ゾンビという題材と『ショーシャンクの空に』などの映画監督フランク・ダラボンが製作総指揮を努めたことで映画好きの層を引きつけたようだ。
50~60代に人気が高いのは、2作入った『ゲーム・オブ・スローンズ』。架空の7王国による覇権争いを壮大なスケールで描く大河ドラマ。歴史大作的な要素がふんだんに盛り込まれている点が年配層に響いた。
キラキラ感が女心をつかむ
女性では、20代と30~40代は『ゴシップガール』、50~60代は『SHERLOCK/シャーロック』がトップ。ニューヨークを舞台に若者セレブの青春模様を描く『ゴシップガール』は「ファッションや暮らしぶりのキラキラ感が、若い女性の心をつかんだ」。
30代以上に高く支持されている『BONES‐骨は語る‐』は、被害者の骨を手がかりに男女コンビが難事件を解決する。「登場人物たちの人間模様を重点的に描いているので、刺激的な描写も緩和され、安心して見られる人気シリーズとなっている」。
『SHERLOCK/シャーロック』は全世代で人気が高いが、50~60代では最新作のシーズン3が1位なのに対して、20代では初期シーズンが上位にくる。シャーロキアンと呼ばれる熱心なホームズファンの年配層から火がつき、ホームズ役のベネディクト・カンバーバッチ人気で若い層に認知が広がっているようだ。カンバーバッチは、「スター然としたこれまでのハリウッド俳優と違い、英国紳士の知的なスマート感が受けている」という。
『24‐TWENTY FOUR‐』『LOST』『プリズン・ブレイク』『HEROES/ヒーローズ』の4強がブームをけん引した2000年代と比べると、今は日本に上陸する海外ドラマの本数も増え、題材やジャンルの幅が大きく広がっている。バラエティーに富んだ作品群がそれぞれに存在感を放ち、男女や世代で異なる、ファンの多様なニーズに応えているのだ。
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(日経エンタテインメント!編集部)
[日経エンタテインメント! 2015年4月号の記事を基に再構成]
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