コスタリカでもやっぱり「お好み焼き」は欠かせない
コスタリカ昆虫中心生活
ぼくはコスタリカで、毎週1~2回お好み焼きを食べている。大阪人なので体質的に粉もんが合うのかもしれない(笑)。一番好きなのはうどんなのだが、コスタリカでは手に入りにくいし、自分で打つのも大変だ。その点お好み焼きなら、キャベツや小麦粉、豚肉といった具材が簡単に安く手に入るし、作るのもあまり時間がかからない。栄養のバランスもよいし、なによりおいしい(虫は入れません)。
実家の母親はお好み焼きを作らないので、ぼくのお好み焼きはだれからも教わってない独自のやり方、西田流。特徴は、厚切りの豚肉をカリカリに焼くこと。カリカリ、サクサクのお好み焼きだ。隠し味として必ず白ワインを使うと言ったら、これまた大阪人である編集者から「それはお好み焼きとはいいません」と言われた。でも、何を入れるのもお好みなのが、お好み焼き。
科学実験をする要領で、お好み焼きと相性のよさそうな具材を試している。オクラ入りや、アスパラガス、プチトマト入りなど、たびたび何かを変えているので、レパートリーはどんどん膨らんでいく。ソースをいちから作ってみたり、だしにパルミート(ヤシの若木の芯)を使ったりしたこともある。なかでもおススメなのが、アスパラガス入り。素材の味が引き立っておいしい。
でも、ナスや刻んだトマトなど水分の多いものを入れるときは、水っぽくならないよう注意が必要。だしの水の量を減らすとか、プチトマトをまるごと使うといった工夫をしている。お客さんが来たときや友人宅にお邪魔した時などに、よくお好み焼きをふるまうのだが、これがなかなか好評。試行錯誤しながら料理をするのは、気分転換にもなってとても楽しい。
続いて料理のニオイに興味津々のピソちゃんと、コスタリカの「桜」です。
1972年、大阪府生まれ。中学卒業後に米国へ渡り、大学で生物学を専攻する。1998年からコスタリカ大学でチョウやガの生態を主に研究。昆虫を見つける目のよさに定評があり、東南アジアやオーストラリア、中南米での調査も依頼される。現在は、コスタリカの大学や世界各国の研究機関から依頼を受けて、昆虫の調査やプロジェクトに携わっている。第5回「モンベル・チャレンジ・アワード」受賞。著書に『わっ! ヘンな虫 探検昆虫学者の珍虫ファイル』(徳間書店)など。
本人のホームページはhttp://www.kenjinishida.net/jp/indexjp.html
(日経ナショナル ジオグラフィック社)
[Webナショジオ 2014年4月8日付の記事を基に再構成]
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