洗濯の達人に聞く 「分類と扇風機」でメリハリ花王研究員の弦巻和さん

きれいな衣類は気持ちをさわやかにする。でも、洗ったのに汚れや嫌なにおいが残っていることは少なくない。二度手間を防ぐコツは「洗い物をためないメリハリある洗濯」。洗濯の専門家で花王研究員の弦巻和さんに、洗濯上手になるポイントを教えてもらった。
花王研究員の弦巻和(つるまき・かず)さん 新潟県出身。59歳。青山学院大卒。専業主婦を経て、1989年に花王入社。生活者研究センターのリサーチリーダーとして、暮らしの困りごとをの解決法を、講習やホームページを通じ伝えている。

――清潔に暮らすノウハウを27年間研究してきた。

「10年間の専業主婦生活を経て再就職したこともあり、主婦として経験した困りごとや疑問の解決を目指しています。たとえば主婦当時、スポーツマンの夫のタオルだけが洗ってもカビがはえて、困ったことがありました。汗でぬれたタオルをバッグに入れて持ち帰る間にカビの菌が増え、通常の洗い方では取れなかったのです。そのため夫の洗濯物はすぐ洗うか、漂白剤入りの洗剤を使うなど工夫するようになりました」

「この経験で知ったのは、汗や水でぬれるなど条件の悪い洗濯物はすぐ洗うのが一番ということ。洗濯を毎日できない人は多いですが、洗濯物に応じてめりはりをつける。それだけで洗濯は効率化できます」

――分類が大切。

「そうです。衣類の状況を見て、今洗うべきか、週末でも大丈夫か見極めるのです。そうすれば汚れに合わせて洗剤や洗い方を変えられる。洗濯機への衣類の詰め込みすぎや洗剤の使いすぎも防げる。洗濯機は一度に大量に洗った方が効率的だと勘違いしている人がいるようです。詰め込めば非効率になるばかりです。汚れは落ちきらず、水も電力も無駄になります」

――干し方にも独自の提案をしている。

「扇風機の活用をすすめています。室温21度で風があれば45分で乾く物も、風がないと3時間かかります。さらに衣類は最低でもこぶし1個の間隔をあけて干す。空気の通り道をつくるのです。タオルなどはピンチハンガーにジャバラにつるしたり、棒を2本利用してM字にかけたりする。早く乾かせば嫌なにおいの原因菌は増えません」

「最近は共働き家庭などが増え、室内で洗濯物を干すことが珍しくなくなりましたから、これらの工夫はなおのこと大切。風がない室内で干せば乾くまで時間がかかり、菌が増えやすい。対策は欠かせません」

――仕事と家事の両立に必要な心構えは。

「主婦だったころ、子どもを幼稚園へ送り出した後はお母さんたちとおしゃべりをしたり食事をしたりして、合間合間に家事をしました。主婦だから家事に一生懸命かといえば、決してそうではない。逆に働いているから家事ができないわけでもありません。家事は生活の一部にすぎない。まずは洗濯物の分類や洗剤の活用などで時間を節約する工夫をしてほしい。身につけば生活にもっとゆとりを持たせられる。それが大切ではないでしょうか」