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暮らしの知恵

干してたたくだけでは逆効果 布団ダニの退治法

2014/10/24

暮らしの知恵

夏の間に繁殖するダニ。刺されたことはないが、日本国内ならどの家にもいるらしい。学校などで使われている測定キットを利用して、一般的な手入れで布団などに潜むダニを取り除く効率的な方法を探った。

まずは敵を知ることから。測定キットを直販しているリオンテック(東京都立川市)河野通泰社長を訪ねた。

今の日本家屋にいるのは「人を刺さないコナヒョウダニやヤケヒョウダニなどだ」と河野さん。そのフンや死骸、抜け殻がぜんそくやアトピー皮膚炎を引き起こすアレルゲンになるという。測定キットでは、ダニやダニアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)の汚染度がわかる。

学校内のダニ、ダニアレルゲン検査に使う「学校用マイティチェッカー」(5回分、7560円)は付属の袋を掃除機に取り付けて1平方メートルを1分間吸引し、そこへ液剤を入れてもみ、チェッカーを浸すと汚染度が分かるという。

一般的な手入れでどの程度、ダニやアレルゲンが減るのか。最も気になる寝具を調べたい。一般家庭の事情にも詳しい東京環境アレルギー研究所(東京都文京区)所長の白井秀治さんに相談し、測定方法を考えた。

10月上旬、2枚の布団を4つのブロックに分け、その半分で初期状態を測定。残る半分を(1)天日干し(4時間)(2)天日干しして布団をたたく(5分)(3)天日干しの後、掃除機をかける(5分)(4)天日干しと布団たたき、掃除機をかける――で手入れして成果を比べた。

■1平方メートルに350匹「日本では普通」

我が家では夏は畳に敷布団用マットレスを敷き、布団や麻マット、麻シーツを重ねて寝る。ダニの温床にならないように湿気対策に気をつけ、マットやシーツだけは洗濯しやすくしていた。ただ、掃除機はたまにかける程度だ。

初期状態は4ブロックとも汚染度が最も高い++で「通常より多く除去が必要」だった。1平方メートルに350匹いると思うと全身がかゆくなった。ところが白井さんは「日本の気候では当たり前。普通ですよ」。救われた。

まずは布団を天日干しにした。途中で裏表、左右を入れ替えて日照条件が同じになるようにして、(2)と(4)は手が痛くなるまでたたいた。日が沈み出したところで(2)と(4)はさらにたたき、(3)と(4)は5分間丁寧に掃除機をかけた。

結果は(1)と(2)は++のまま。(3)は+に1段階レベルが下がり、(4)は一気に-(マイナス)まで低下した。「布団をたたくと布団の奥に潜むアレルゲンが表面に出てくる」と白井さん。だから布団たたきは、単独では逆効果。掃除機がけと組み合わせて初めて意味があるということだ。

布団たたきと掃除機がけの組み合わせが有効と分かった。一方、「55度超で20分間加熱しないとダニは死なない」ため、天日干しは効果が薄い。また、ダニが卵からかえり、成虫になって産卵するまで5週間前後。一時的に激減しても、卵が残ればアレルゲンは増える。「週1回1平方メートルあたり20秒ほど掃除機をかけるのが目安」だそうだ。

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