命の源「水」が、体でひっそりしていること

日経ヘルス

「命の源」ともいわれる水は体の中でどんな役割を果たしているのだろう。食事や飲料でとり入れた水分は、どのような経路で出ていくのか? どれくらい水分を摂るとむくみにつながるのか? 疑問はたくさんあります。「水」と「巡り」の働きを、数字から見ていきましょう。

食事や飲料でとり入れた水分は、4つの経路で出ていく

図1 水の4つの出口は、呼気、汗、便、尿だ(イラスト:三弓素青)

水は、私たちが生きていくうえで欠かせない。「男性で体重の約60%、女性は約55%が、水です」。順天堂大学教授の坂井建雄さんはこう話す。体重50キログラムの女性なら、27.5リットル。2リットルのペットボトルで13本以上に上る。かなりの量だ。

そして、ここから約2.5リットルの水が毎日外に排出され、ほぼ同量が入ってくる。体内の水は、日々入れ替わっているのだ。

水の入り口は、基本的に口だけ。一方「出ていく経路は、尿、便、汗、呼気の4つあります」と坂井さん(図1)。なるほど、呼気からもこんなに出るのか。

では27.5リットルもの水は、何をしているのだろう。

まずは総量3~4リットルの血液になり、血管の中を駆け巡る。腸が吸収した栄養や肺が吸い込んだ酸素は、この血液に溶けて体の隅々まで送られる。

送られた先で栄養や酸素は血管の外に出て、体液(組織液)を経て細胞に届く。逆に細胞の中で生じた老廃物などは、体液から血液やリンパ液へと回収される。細胞が生きられるのは、すべての細胞が水に浸り、体中を水が巡っているためだ。

体から出ていく水にも役割がある。尿と便は老廃物などを排出。一方、汗と息は過剰な「熱」を捨てて体温上昇を抑える。こうして体が維持できるのも、水という媒介役のおかげなのだ。

データ:『患者指導のための水と健康ハンドブック』より
■1日に出入りする水分は2.5リットル
摂取する水の大半は、食べ物や飲み物に含まれる水分。「代謝水」は、体内の代謝で生じる水のことだ。排出は、尿からの量が多いが、暑い日は汗による蒸発、呼気の割合が増える。
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