自身が番頭タイプだという自覚と自負を持っている人であれば、こうした企業群の中から良い縁を得られるでしょう。NO.2やNO.3になった後、自分が会社を牛耳るなど変な色気を出すことに気をつけましょう。
顧問や社外取などを招へい
最後のケースは長らくガバナンス(企業統治)の観点で必要性が指摘され、折々案件はあるものの、市場がいまひとつ広がりませんでした。しかし、ここ数年来、ガバナンスの強化や人材のダイバーシティー(多様性)、定年延長議論、副業解禁などの動きが絡みつつ、市場がようやく広がり始めています。
ミドルやシニアのキャリアの一つの選択肢としては今後、機会が増えていくと見込まれます。いつから顧問や社外取、アドバイザーの役側に回るかは、皆さんのキャリア志向やライフスタイルにもよるでしょうが、仕事人生の前半戦での一定以上の経験や専門性を磨き上げた上で展開できるセカンドキャリアですので、自分がどの面から会社や社長をサポートできるのかを明確にすることが欠かせません。そして、その専門分野で研さんし続けることこそが、生涯現役への道を切り開いてくれることでしょう。
「失われた30年」の平成が終わり、令和になった途端、襲いかかったコロナ禍。アフターコロナの先行きは不透明ですが、日本が今後地盤沈下しないために、ミドルやシニアから1人でも多くの人が、全国の中堅・中小企業の明日を支える後継者人材になることを願っています。我々もその促進に尽力していきます。
※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。
井上和幸
経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。
