JO1輩出のオーディション 第2弾はデジタルフル活用特集 最新ヒット&ブレイクの作り方(4)

日経エンタテインメント!

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急速に進んだエンタ界のデジタル化を背景に、ヒットの作り方が大きく様変わりした。新たなスターを次々と生み出す「TikTok」や「オーディション」のトレンドからオンライン化でチャンスが広がる「バーチャルワールド」「カタログ」まで、ブレイク&ヒットの最新事情を探っていく。第4回は、JO1を輩出した『PRODUCE 101 JAPAN』の第2弾である『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』(以下、日プ2※)を取り上げる。前作の経験を今回どう生かしていくのかを統括プロデューサーらに聞いた。[※「日プ」は「PRODUCE 101 JAPAN」の略称。韓国で開催された「PRODUCE 101」を「プデュ」と略すことから、日本のプデュとして「日プ」という略語が使われている]

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日プ2は1月30日に101人の練習生をお披露目し、2月1日から「国民プロデューサー」と呼ばれる視聴者による「国民投票」がスタート。同月10日までの10日間の投票結果によって、早くも練習生は60人に絞り込まれた。番組は4月8日から、前作と同じくGYAO!で配信されている。

今作では、練習生への最初の投票が始まる直前の1月31日に、GYAO!で特別番組『「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」国民投票開始カウントダウンSP』を放送。“国民プロデューサー代表”のナインティナインの2人の司会のもと、練習生やトレーナーたちが出演した (C)LAPONE ENTERTAINMENT

前作でJO1を輩出したことで、日プ2の応募者に変化があったと、吉本興業『PRODUCE 101 JAPAN』統括プロデューサーの神夏磯秀氏は語る。「前回は、『PRODUCE 101』(以下、プデュ)が日本初上陸で、どんな内容になるのかが未知数な部分が多々あったため、経験値やレベルを問わず、幅広い層の子たちが応募してきました。ただ、JO1が活躍していることで、日プ2の応募者はダンススキルや歌唱力の平均値が格段に上がりましたね」。スキルやビジュアルに加え、「今はまだ力量は足りないけれども、立ち居振る舞いや、にじみ出る人間性に才能を感じる“原石”も101人に残しました」(神夏磯氏)。動画の再生回数やSNSでのリアクションは、前作を上回る手応えを感じているという。

開始のタイミングは慎重に検討された。プデュシリーズに欠かせない“101人の練習生”での“合宿生活”は、コロナ禍で実現するには困難が伴う。「延期したほうがいいという声も出たが、今は世界中が同じ状況。そのなかでいかにエンタテインメントを続けていくかを考えたときに、この時期に始めることに意味があると考えました」(神夏磯氏)

かくして始まった日プ2は、序盤から前作とは違う点が見てとれた。それは、番組本編開始時に出演する練習生の数だ。これまでの韓国のオリジナル版でも前作でも、本編は101人の練習生で始まったが、今作で、本編に出演できるのは60人のみとなる。

『PRODUCE 101 JAPAN』最終回、勝ち残った11人がこのピラミッドに座った (C)LAPONE ENTERTAINMENT

2グループの相乗効果

いったい今作はどう変わるのか。LAPONE ENTERTAINMENT事業本部長の張赫珍(ジャン・ヒョクジン)氏は、その特徴として大きく2つを挙げた。

「1つはデジタルのさらなる活用。例えば今回、番組が始まる前に投票してもらうため、1人ひとりの練習生に対して様々なコンテンツを用意しましたが、今後も同様にデジタル的な要素を増やしていく予定です。もう1つはグローバルです。今作では番組放送時から世界中の方に見ていただけるよう、今仕組みを組んでいる最中です。JO1はデビュー後にKCONやMAMAに出演するなど、世界へ向けての一歩を踏み出しましたが、今作では番組放送中から世界の方々を巻き込むことで、デビュー時にはグローバルな認知度を獲得するつもりです」

前述のように60人で番組を始めたのには、2つの理由がある。まずは101人で収録番組を制作するコロナ対策の難しさ、もう1つは、デジタルコンテンツの幅を増やす挑戦をしたかったからだ。

60人に絞り込む際には「オンタクト能力評価」という新しいシステムが採用された。101人それぞれの動画・画像コンテンツを数多くリリースし、ダンスや歌唱力などの能力面やキャラクター、ビジュアル、人柄を多面的に見せ、投票の判断となる要素を国民プロデューサーに提供。「練習生ダイアリー」など新たなデジタルコンテンツを用意し、英語字幕も付いた。

「実際にデジタルのコンテンツのみで投票していただけるのか不安もありましたが、蓋を開けてみれば、再生回数は思った以上に伸びました。改めて国民プロデューサーの方がデジタルに非常に敏感であることを感じ、デジタルコンテンツは今後も増やしていくべきだと確信しています」(張氏)。今後はCGやVR、AR技術などを使った映像演出も計画しているという。

JO1と、日プ2から誕生する新グループ、2つのグループが活動することでの相乗効果も期待している。「僕は、タレントは1つの才能であると同時に1つの『フィールド』と考えていて、タレント=フィールドの数が増えれば増えるほど、個々のタレントの活躍の場が広がると考えています。タレントとフィールドがグルグルと渦を巻いて増殖していくのが理想の構図。例えば、JO1が開拓したフィールドに新しいグループが出ることもあるだろうし、逆に、新しいグループが獲得した場にJO1が出ることもあるでしょう。そういう意味では、2グループが活動することは、それぞれのグループにとってメリットが大きいと考えています」(神夏磯氏)

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(ライター 横田直子)

[日経エンタテインメント! 2021年4月号の記事を再構成]※情報は掲載時点のものです

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