オーバーサイズが苦手な大人も リーズナブルな価格も魅力
「春物という印象もありますが、実は長い期間着られるのがスプリングコートの魅力です。インナーを工夫することで春から初夏、秋から初冬まで使えますよ」
そう語るのは、大阪市西区南堀江にある「HUNKY DORY(ハンキードリー)」大阪店の店長、塚本康博氏だ。日本発のManual Alphabet(マニュアルアルファベット)のコートを紹介してくれた。フランス軍が着用していたレインコートをもとにデザインされた一着だという。

「縫製箇所が少なく、ストンと落ちるような美しいシルエットが特徴です。トレンド感のあるゆったりとしたサイズですが、だらしなく見えません。オーバーサイズには抵抗があるという30代、40代の方は多いですが、これなら安心して着ていただけます」
国内の職人が手作業で作り上げるブランドだけに、クオリティーの高さも魅力的だ。
「生地の表情やシルエットに、一目でこのブランドと分かる品の良さがあります。スエットからシャツまで幅広いアイテムと相性がいい。いつも通りのコーディネートに合わせるだけで、大人っぽくまとまります。2万円以内に収まるリーズナブルな価格も人気の理由ですね」

桜の季節をイメージ 入門にも最適
東京・吉祥寺にある「ROL(ロル)」のストアセールスマネージャーの葛西剛史氏にも話を聞いた。紹介してくれたのは、EEL Products(イールプロダクツ)の「サクラコート」。同店で10年以上取り扱っている人気商品だ。
「イールプロダクツのアイテムは『砂浜』や『花火』など、明確なシーンが設定されています。こちらは桜の季節をイメージした一着。青空のようなブルーがなんとも爽やかです。風を通しにくい高密度のコットン生地を使用していているため、12月頃から着用される方もいらっしゃいますよ」


一般的なスプリングコートに比べ、着丈がやや短めなのもポイントだという。

「近年は着丈が長く、シルエットもオーバーサイズのコートがトレンドですが、着慣れない人にとっては抵抗もあるようです。その点、サクラコートはすっきりとしたシルエットなので、取り入れやすい。スプリングコートの入門編としてもおすすめです」
文:FACY編集部 山梨幸輝(https://facy.jp/)
SUITS OF THE YEAR 2021
アフターコロナを見据え、チャレンジ精神に富んだ7人を表彰。情熱と創意工夫、明るく前向きに物事に取り組む姿勢が、スーツスタイルを一層引き立てる。