老舗の春コート 男の魅力引き立てる成熟と革新が同居ファッションディレクター 清水久美子

クラシックな顔をして、その実は最先端。できる男を体現する春コートが今年は豊作
クラシックな顔をして、その実は最先端。できる男を体現する春コートが今年は豊作

いつの時代も、女性が男性に求めるものは矛盾しているもの。酸いも甘いも味わった大人の包容力も感じたいけれど、その一方で、スポーツ観戦などで我を忘れて応援したりするようなやんちゃな姿に、母性も感じてみたい。円熟と青年のような魅力。そんな、相矛盾した魅力を兼ね備えた男性であれば、「見逃すワケはないわ……」とは、丸の内仲通りでランチにいそしむ女性たち。3、4月は、送別会、歓迎会など、集う機会の多い季節。ここで、女性たちの好感度をガッとつかめば、プライベートも満開。ひとつ、ここはこんな女性のわがままな願望に応える雰囲気を醸すのはいかがでしょう。




「いやあ、ジョージ・クルーニーじゃあるまいし……」とは、脂の乗った仕事っぷりの壮年のダーリン。でもジョージでなくても、そんな魅力が醸せるアイテムがあるのです。それが実は春コート! 中でも老舗ブランドの春コートが、この女性のわがまま願望にジャストフィットする進化を遂げているんです。

女性にとって男性のコートスタイルとは

そもそも女性にとって男性のコート姿は、特別セクシーなもの。上背の高い、肩幅の広い体形が際立ちますし、映画やドラマの例にもあるように、大人の包容力、哀愁などが妄想できる……という胸キュンな魅力があるのです。中でも老舗ブランドのコンサバティブなコートは、歳月に磨かれたデザインならではの安心感と知性を感じさせるもの。壮年の男性の魅力を引き立てます。しかも、それだけでないのが昨今の“進化”なのです。

いつの時代も変わらない。それは一見同じ印象のものの中に、時代に沿った革新性を込めるから。「変わりたくなければ、変わらねばならぬ」とは、某老舗ブランドのCEOの名言ですが、一見クラシックな顔をして、そのコンセプトは最先端、そんなコートを気候変動激しい現代において、静かに打ち出しているのが、昨今の老舗ブランドなのです。

成熟したデザインと、革新的でモダンな素材の解釈。言ってみれば、円熟の魅力の中にいまどきの若々しさを込めているのです。「あれ?」とダーリン。そうなのです、これぞ女性のないものねだりをコンプリートしたアイテム。その中でも女目線の「目の正月」なのはこの3ブランドです!

シルエットのこなれ感も今時 復活のクリフォードコート

通常はタイロッケンコートと呼ばれますが、ポール・スチュアートの2代目CEOを長きにわたって務めたクリフォード・グロッド氏が愛用したコートであることから、あえてクリフォードコートと命名したという コート税別110,000円(Paul Stuart/ポール・スチュアート GINZATIMELESS 8 店)

《ポール・スチュアート》 大きめの襟と、ラウンドショルダーで、男性ならではの逆三角形のシルエットを引き立てるのがお得意なのが、ポール・スチュアートのクリフォードコート。このコートが復活したのは昨年のこと。ゆったりしたシルエットがしばらくコートの時流と見て、ノーボタンの、ガウンコートのようなこなれ感のあるデザインの復活です。

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