2021/2/17

仕事で差がつく!ビジネス思考法

たとえば、会社が苦しいからといってリストラをすれば、収益は回復できたとしても、体力が落ちてしまいます。それはいずれ収益に悪影響を及ぼし、下手をするとまたリストラをしなくてはいけなくなります。深く考えずに手を打つと、悪循環に陥ってしまうわけです。

こんなときに役立つのが「システム思考」です。システム思考では、問題に関わるすべての要素を洗い出し、要素と要素の因果関係を丁寧にひもとき、全体の構造を循環(ループ)として記述します。その上で、個々の要素に作用するのではなく、全体の構造を変革することを目指します。

システム思考が効果的なのは、「目標があるのに続かない」「努力はしているのに結果が出ない」といった問題です。「個々は優秀なのに、全体としてはうまく機能しない」という組織や社会の問題にも威力を発揮します。

あるいは、「同じ失敗事例や問題を何度も経験した」「いつも同じパターンに陥ってうまくいかない」という問題です。システム思考を学ぶと解決の糸口が見えてきます。

2種類のループで「見える化」する

システム思考の手順を簡単に紹介します。システム思考では、問題に関わる要素同士の因果関係を矢印で表した「因果ループ図」を用います。

ループは2種類に分けられます。ひとつは、変化を強化する方向に動く拡張フィードバックループ(R)です。努力アップ→成績アップ→評価アップ→努力アップといったものです。

もう一つは、変化を抑制する方向に動くバランスフィードバックループ(B)です。努力アップ→疲れアップ→やる気ダウン→努力ダウンといった流れです。いずれの場合も、影響が現れるのに時間がかかるケースがあり、遅れも考慮しておくようにします。

ループの組み合わせでシステムを表せば、要素と要素の関係がモレなく調べられます。問題の全体像が把握でき、隠れたメカニズムにも注目が集まり、全体最適の解決がしやすくなります。予期せぬ波及効果による失敗も防げます。

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