パパラピーズ YouTuberがラジオで戸惑ったこと
特集 僕たちのラジオデイズ(8)
9月末からスタートした、文化放送の深夜の生ワイド枠『CultureZ』。木曜パーソナリティー(水・木曜を大関れいかと担当する形だが、メインは木曜)に起用されたのが、男女コンビのYouTuber・パパラピーズだ。
「2020年上半期インスタ流行語大賞」(※)の「YouTuber部門」では、フワちゃんを抑えて1位を獲得。勢いのある彼らが、初めてのメインパーソナリティーに挑んでいる。
(※)10代、20代の女性をメインに実施したPetrel(ペトレル)によるアンケート調査
タナカガ お話をいただいたのは、7月~8月だったと思います。ぜひやりたいですって伝えました。
じんじん 未知の世界のお仕事なので、挑戦してみたいなって。
タナカガ 私はラジオってほとんど聴いたことがなかったんです。でも、ゲストで呼んでいただいたことは何度かあって、楽しいなと思っていました。NON STYLEの井上さんがやっている、渋谷クロスFMの番組とか。
じんじん あとは工藤大輝さんの『TALK ABOUT』(TBSラジオ)とかね。打ち合わせでは、咀嚼音とか音フェチ向けの、ASMR(自律感覚絶頂反応)の企画を提案しました。僕たちのファンもなじみがあるし。
タナカガ 担当作家のちゃんこさん(小林洋平氏)は最初から私たちのことを良く分かってくださっていて、「じゃあ夜食を食べるのはどう?」って。それで、「パパラのお夜食」というコーナーにして、何を食べてるか音で当ててもらってね。ちなみに、今日はラーメン食べられるらしいよ。
じんじん ただの飯テロ(笑)。
顔芸でごまかせない難しさ
2人に取材したのは、2回目の生放送が始まる前の待ち時間。初めてとは思えないほど、初回放送も違和感がなかった。
じんじん いや、全然……。カミカミだし、しゃべりで区切るところが変だし。「東京・浜松町からお送りする」みたいな決まったものを、普段は読むことがないので。
タナカガ 私は「漢字読まれへん……」から入りました(笑)。しかも番組が、ニュースから始まるんですよ。普段関西弁だから、どう頑張ってもカタコトになっちゃう。
じんじん でも、それが面白いってコメントが結構あったよ(笑)。
タナカガ 本当は事前にひと通りのテストをする予定だったのが、スケジュールの都合でできなかったんです。ほぼぶっつけ本番。その緊張が全部声に出ちゃってました(笑)。でも「2時間あっという間だった」みたいなコメントをいただけたので、良かったなって。
じんじん 放送後は、僕たちのことを知らなかったラジオファンの方がフォローしてくれたり。動画のことを話したら、さっそくYouTubeを見てくださったり、反響が予想以上でびっくりしました。でもやっぱり、声だけっていうのはかなり難しい。僕に関してはほとんど顔芸だから(笑)。
タナカガ 「こんなんでいいですか?」っていうぐらい、自由にできるっていうことは分かったけど。思ったのは、ラジオ中の出来事を、自分たちのYouTubeとリンクさせたりも十分できるなって。ドッキリとか。
じんじん 番組で"匂わせ"て、後日自分たちの動画に……って、なんで生放送の本番中に!
では、ゲストに呼びたい人は?
じんじん 憧れの千葉雄大さん。……ほんまにすみません(笑)!
タナカガ それなら私はレディー・ガガ様。
じんじん やめなよアンタ! 厚かましいって! でも千葉雄大さんがいたらたぶん、赤面して終わり。
タナカガ 私も2時間なんもしゃべらなくなるな。現実的なのは、仲良しのYouTuberですね。エミリンとか、さんこいちのやっぴ君とかが来てくれたら、盛り上がるやろなって。あとは局を超えてですけど、水溜りボンドさん。
じんじん ちょうどラジオの時間が、僕たちが終わったところからスタートなんですよね。「頑張ってね」とかメッセージもいただいて。
タナカガ LINEで「『オールナイトニッポン0』聴きながら帰ります」ってお返事して。先週はラジオの冒頭で私たちのことを話してくれて、うれしかったです。
じんじん まだ1回しかやっていないけど、僕はリスナーさんと「つながってる」って感覚がすごく新鮮でした。リアルタイムでコメントを見ながら進める体制なので、「今この瞬間、自分たちのために(スマホなどの)充電を使ってくださってる」って、妙な感動が(笑)。
タナカガ 私は、時間を気にしながら進行するのがめっちゃ楽しかったです。「分数が足りひんから、もうちょっとしゃべろう」とか。そのときにラジオをやっている実感がすごく湧きました。
じんじん 今後は動画の延長線上で、いつも通りのボケとツッコミができたらいいなと思ってます。
クリエイティブで、デジタルネイティブなリスナーと次の「面白い」を探す情報トーク番組。YouTube Liveでの同時生配信や、オーディオコンテンツ配信も展開する。(月~木曜25時~27時[月&火:土佐兄弟、水&木:パパラピーズ、大関れいか]/文化放送)
マイク1本、声だけでコミュニケーションするラジオは、タレントとリスナーの双方にとって親密度の高いメディアだ。再評価が進むラジオの魅力を、人気パーソナリティーたちに聞いた。
●草彅剛×香取慎吾(前編)「もしラジオがなければこの3年は…」
●草彅剛×香取慎吾(後編)「想像かき立てる見えないラジオの良さ」
●ナイツ(漫才コンビ)「ラジオ生放送、週15時間半の秘訣」
●ファーストサマーウィカ「深夜ラジオ、下ネタは知的に」
●ニューヨーク「YouTubeラジオの先駆者」
●山崎怜奈(乃木坂46)「ラジオの良さ、自分に似ている」
●空気階段「リスナーが親近感持つ理由は?」
●パパラピーズ「YouTuberがラジオで戸惑ったこと」
●工藤大輝(Da-iCE)
(ライター 内藤悦子)
[日経エンタテインメント! 2020年12月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。