日経エンタテインメント!

動画配信サービス「CL」の運営を担うのは、サイバーエージェントと19年10月に立ち上げた「CyberLDH」。サイバーエージェントとはABEMAの『GENERATIONS高校TV』などで、強固な信頼関係を築いてきた。また、ABEMAでも配信する「LIVE×ONLINE」は、オンラインに特化した演出と映像で、通常のリアル空間でのライブとは違う公演を見せる。演出はこれまでLDHのライブクリエイティブを手掛けてきた「TEAM GENESIS」が担当。さらにはライブ後のファンミーティングやオンライン打ち上げなどのユーザー参加型企画も展開。ステージで着用した衣装やグッズをeコマースで購入できる仕組みも用意する。

「藤田(晋/サイバーエージェント社長)さんとは以前から親しくさせていただいていたので、『何か新しいエンタテインメントを作ろう』と常々話していました。その中でサイバーさんから様々な提案をいただいて、徐々に構想が固まっていった感じです。LDH Official mobileサイトや、動画配信サービス『LDH TV』、雑誌『月刊EXILE』やテレビ番組の『週刊EXILE』など、LDHが展開する自社メディアをつなげてファンの皆さんと直接コミュニケーションを取り、楽しめる場所になればいいなと思っています。8月1日のサービス開始以降も、メンバーとファンの皆さんが楽しめるようなアイデアを追加しながら展開していきたいと考えています。

またCLとは別で、定期的に開催予定なのが『LIVE×ONLINE』。今まで『LDH TV』などでライブビューイングを配信する取り組みなどは行ってきましたが、オンライン上でオリジナルライブをやるのはLIVE×ONLINEが初めてなので、LDHならではの新しいエンタテインメントになると期待しています。演出や内容はグループによっても違いますが、特に力を入れているのがカメラワークです。スーパーボウルのハーフタイムショーやオリンピックの開会式でも、カメラワークが重要じゃないですか。EXILE TRIBEのライブでもカメラを使った演出をたくさん用意していますが、会場にカメラ搭載ドローンを飛ばしたりしながら、LDHが得意とする独特の躍動感やスピード感を表現していきたいと思います。

5Gの環境が日本全国に整ったらAR(拡張現実)などのテクノロジーも導入していく予定です。実際にどのくらいの人が見てくれるのか未知数な部分もあり、今の段階だと先行投資の意味合いが大きく、なかなか利益を出すのは難しいかもしれませんが、LIVE×ONLINEはその後も定期的に続け、LDHの新しいエンタテインメントとして定着させたいですね」

ドーム規模の公演への対策

もう1つ、他社に先駆けて計画を発表したのが、「ソーシャルディスタンスライブ」だ。イベント制限が緩和されれば、ドーム規模の会場であっても収容人員最大50%の動員が可能になる。今回の発表は「開催の実現に向けて動いている」というものであり、開催が決定したわけではないが、慎重かつ前向きにリアルなライブ開催への意欲を示したことは、多くのファンを喜ばせた。

「当然ながら、安全が担保されなければ開催は難しい。各都道府県の自治体にも相談しながら進め、安全対策も含めて準備ができたところから始めていく予定です。自治体と一緒に『日本を元気に』というテーマでやれたらいいなと考えています。

開催する際は、検温のシステムや非接触で入場できる電子チケットのシステム、来場者の個人情報なども管理し、万全の体制を整えて進めます。ファンの皆さんが楽しめるよう、例えばチケットとフェイスシールドやマスクなどをセットにするとか、フェイスシールドをステッカーで自由にカスタムできるようにするなど、いろいろ考えています。

メンバー自身も、お客さんが収容人数の半分であってもリアルなライブを絶対やりたいという思いが強いんです。今回のコロナ禍で、改めてファンの皆さんに自分たちが支えられてきたという思いも強く、そこは全員が一致しているところ。その意気込みをなんとか形にしたいと思っています。

実際にコロナ禍以前のような公演ができるようになるのは、ワクチンが普及しないと厳しいのかなと感じています。ただ、興行が元通りになる前にCLやLIVE×ONLINEが定着していけば、1~2年後にはオンライン、オフラインの両方が盛り上がって、LDHが展開できるエンタテインメントの形も増えていく。どんどんできることの可能性が広がっていくのではないかと思っています」

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