違和感をうやむやにしない LINE出沢氏「問う力」「ネット興亡記」に学ぶサバイバル術 (6)

日本経済新聞電子版に連載したビジネスノンフィクションをドラマ化した「ネット興亡記」。ネットバブル崩壊、固定観念や規制の壁、組織の解体・消滅やスタートアップならではの成長痛――。登場した経営者ら本人の言葉には、逆境をはね返すための示唆も少なくない。多くの挫折や困難に直面しながらそれを乗り越え、時代を切り開くビジネスやサービスを生んできた彼らの軌跡にデジタル時代のサバイバル術を学ぶ。

<<(5)逃げるは恥だが役に立つ LINE舛田氏の「耐える力」

第4話の「逆襲のLINE」では「去るも地獄、残るも地獄」という過酷な状況から国民的アプリを生んだメンバーの心情がつづられている。主役の一人であるLINEの出沢剛社長は起業家ではないが、ある意味でネット業界の栄枯盛衰の舞台裏を誰より知る。ライブドア時代は絶頂とどん底を経験し、ボロボロになった組織の立て直しに奮闘した。LINE社長となった今、ヤフーを傘下に持つZホールディングスとの経営統合に動く。傍流にあっても違和感をうやむやにせず「問う」ことで、出身やカルチャーが違うチームをまとめるマネジメント術とは。

――新卒で入社したのは生命保険会社でしたが、急成長するオン・ザ・エッヂ(後のライブドア)に転職しました。カルチャーショックは大きかったのではないでしょうか。

「受付からデザインされたガラス張りのオフィスで、『かっこいいな』が第一印象でした。いざ入ったら、今でいうブラック企業の権化のような会社。スピードがとにかく速く、成長に人材の補充が追いついていない状況でした。色々な案件を受注するけど納品が追い付かず、常にトラブルが起きていました」

「(創業者で社長の)堀江(貴文)さんはめちゃくちゃ怖かった。できない理由を『なんで、なんで』と詰めてくる。ロジカルで逃げ道がない。みんな恐れていました。ただ、間違ったことは言っていない。『なんでそういう不合理があるのか』と。予定調和がなく、『世の中がこうだから』と思考停止することがない。当たり前だと思っていたことを突き詰めて考えてみると『なんで必要なのか』と本質的な問いをされていました。鍛えられましたね」

今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
注目記事
今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら