すがやみつる氏(2016年撮影)

実は、『こんにちはマイコン』を読んでいたのは子どもたちだけではありませんでした。マイコンを知らないと時代に遅れるかもと危機感を抱いていた多くの大人たちも学んでいたそうです。著者でマンガ家のすがやみつる先生によれば、「子供に加えて大人もターゲットにしたことが多くの読者を獲得できた(シリーズ累計で約60万部)のだと思います。実際、本にカバーをかけてこっそり読んでいる大人を2回ほど見かけたことがあります。分かりやすそうなので読みたいんだけど、マンガで勉強していると知られるのは恥ずかしい。当時はそういう状態だったんです」(※1「自分が楽しい世界を知らせたくて描いた『こんにちはマイコン』」から引用)

変わらないもの、変わるもの

「子どもも大人も学べる」という狙いはそのままに、この5月に発行されたのが『ゲームセンターあらしと学ぶ プログラミング入門 こんにちはPython』(日経BP)です。

この『こんにちはPython』も『こんにちはマイコン』同様、小学生中学年以上から読めるよう、難しい漢字や言葉は使わない、漢字にはすべてルビを振る、操作手順を省かずに一つひとつきちんと伝える、といったかたちでわかりやすさを重視して説明しています。

総ルビを振る、手順を一つひとつ説明するなど、わかりやすさを重視
変数の説明。上のコマは『こんにちはマイコン』から、下のコマは『こんにちはPython』から引用

プログラミングの内容に関する説明も同様です。例えば、プログラミング言語の機能として欠かせない「変数」。「変数は箱やバケツのような容器だと思えばいい」というように、箱に一時的に数字や文字を入れ、適宜取り出して使うイメージを用いてその機能を具体的に伝えています。

一方、両書で異なる点ももちろんあります。最大の違いは、学ぶプログラミング言語が「BASIC(ベーシック)」から「Python(パイソン)」に変わったことでしょう。当時のパソコンに標準搭載されるなど一世を風靡したBASICですが、今学ぶなら人工知能やデータ分析などの分野でよく使われ、言語仕様も簡潔で読みやすいPythonがオススメだからです。

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