転職失敗に3パターン 自分の現在・過去・未来を確認経営者JP社長 井上和幸

未来編・将来への夢、展望を持てる場か?

第3のポイントは「未来」です。「選択しようとしている転職先企業は、将来への夢、展望を持てる場か?」

ミドルやシニアの皆さんの転職支援時に、当社では必ず「○○さんは、そもそも今後、仕事上でどのようなこと実現、達成したいですか?」と尋ねます。一見簡単な、当たり前の質問に見えると思うのですが、これがなかなかどうして、10人に尋ねて、きちんと即答できる人は2、3人という感じです。

「う~ん、そうですね。上司を見ていると、50代で部長か本部長ですから、自分もそれくらいは」「いずれ起業してみたいという気持ちはあります」「60代、できれば70代に入っても現役で働きたいとは思ってるのですが」。このような感じの、漠としたイメージが多くの場合は返ってきます。

これ自体を否定するものではありませんが、ミドル、シニア世代として、これからの2020年代を最前線で活躍されていきたいとすれば、「世の中に、市場にどのようなことを提供していきたい」「企業、事業、組織にこのような具体的貢献をしていくことで、これこれを成し遂げてみたい」というような、「外部に対して」と「内部に対して」のそれぞれに関して具体的に提供、貢献したい、自分なりのビジョンや展望、夢をしっかり描いて携えておきたいものです。

その将来展望や夢を、転職先ですぐにかなえる必要はありませんが、中期・中長期ビジョンをしっかり持てている転職と、それ抜きに漠然と目先や条件だけ見て転職するのでは、その後のキャリア展開に天と地の差が開きます。自分の行き先、進む道をしっかり切り開いていけるか、その場任せで流されていくかでは、前者と後者のキャリア可能性は乗数的に乖離していくこととなります。

「市場価値のある人材」として今後も進むためにも、目の前だけでなく、しっかりと中長期的展望や仕事上の夢を持っての転職先選択をしてください。

季節や年度の変わり目での転職は、それだけで気持ちの入れ替えになる部分もあります。悪いことではありません。だからこそ、せっかくの「心機一転転職」を実り多きスタートとするためにも、今回紹介した「現在・過去・未来」についての3点に関する検討は必ず済ませたうえで、転職先を選択してほしいと思います。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

井上和幸
経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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