完全無線イヤホンNoble対オーテク 1万円台でも高音質「年の差30」最新AV探訪

ATH-CK3TWも機能充実

オーディオテクニカ「ATH-CK3TW」。ホワイトの他にブラック、ブルー、レッドの計4種類のカラーを展開

小沼 続いて、オーディオテクニカを見てみましょう。ATH-CK3TWは完全ワイヤレスのエントリーモデルとして、機能を充実させつつも価格を抑えたモデルです。

小原 これもすごく良いイヤホンです。過去のオーディオテクニカの完全無線と比較するとあか抜けているし、音のバランスが整っていて、自然にしっかり聴かせてくれます。音質ではFALCONと甲乙付けがたいですね。

小沼 僕は自然なメリハリのある音だと感じました。低域がしっかりしているけど高音もしっかりと伸びるので、J-Pop、ロック、EDM、どれも心地よく聞くことができましたね。音質以外だといかがですか?

小原 うーん、デザインを見るとFALCONのほうが洗練されているかな……。

小沼 ATH-CK3TWはケースが立方体に近いかたちで、洗練というよりはかわいいイメージですよね。カラーバリエーションも4種と豊富ですし。本体のサイズは小さいですが、レッドやブルーは色味がビビッドなので、ファッションのアクセントとしてさりげなく取り入れられると思います。

小原 再生時間などのスペックはどうなんでしょう?

小沼 再生時間はイヤホン単体で6時間、ケース併用で30時間。防水はIPX2と生活防水程度です。FALCONと比べると劣りますが、ATH-CK3TWも普通に使用するぶんにはまったく問題ない性能だといえます。

小原 なるほど。東京から博多まで新幹線で5時間程度ですから、6時間連続再生ができればたしかに十分ですね。

小沼 都内でいろいろ使ってみましたが、ペアリングも安定していたと感じました。

完全無線イヤホンは数年で使い捨てか

ATH-CK3TWの装着イメージ。背面はタッチパネルになっているが、指の腹に沿うようにへこんでいるのでタッチしやすい

小沼 今回の対決だと、やはり小原さんはFALCONでしょうか。

小原 そうですね。ただATH-CK3TWが劣っているということではありません。デザインの好みなどでATH-CK3TWを選んでも損はしないと思います。

小沼 僕も個人的にはFALCON派です。ただ、オーディオテクニカはネームバリューもありますし、カラーバリエーションも豊富。10~20代前半で、ちょっといい完全無線を探しているという人にはATH-CK3TWの方が受ける気がします。

小原 価格もテクニカのほうが数千円安いですしね。とはいえ、どちらも1万円台なので手に取りやすいと思います。最近、あるオーディオメーカーの人と話したのですが、完全無線イヤホンは今のところ長く愛着を持って使うのが難しいそうです。バッテリーが消耗したり、あるパーツが故障したりしたときに、修理してずっと使うということが考えられていないんです。

小沼 ある意味、数年で使い捨てということですか。

小原 そうとも言えます。スピーカーやヘッドホンだと、数十万円出して長く使うこともできますが、完全無線ではなかなか難しい。この点は考慮すべきだと思います。

小沼 そう考えると、あまり高い完全無線イヤホンを買うのはちゅうちょしてしまいますね。製品を選ぶとき、「数年で使えなくなるかもしれないぞ」と一度立ち止まって考えてみてもいいのかもしれません。

小原 紛失の可能性も有線に比べると高いですからね。その意味でも、サポートをしっかり確認するといいですよ。FALCONのような交換サービスがあれば安心ですし、修理サービスをはじめるメーカーも登場するかもしれませんから。今後に期待ですね。

◇ ◇ ◇

Noble AudioのFALCONとオーディオテクニカのATH-CK3TWの2機種を比較した今回の対決。2人が選んだのはFALCONだったが、ATH-CK3TWも音質が良く機能も充実しており、どちらを選んでも後悔しない製品だといえる。

完全無線イヤホンの寿命についても話題に上がった。バッテリー交換や修理といったサービスが難しい完全無線イヤホンは、有線の高級イヤホン・ヘッドホンのように愛着を持って使うことが難しい。ただ、そのぶん1万円台の製品でも十分なクオリティーの製品があるのが完全無線イヤホンの世界でもある。こうした点を踏まえ、さまざまな製品を試してみるのも面白いだろう。

小原由夫
1964年生まれのオーディオ・ビジュアル評論家。自宅の30畳の視聴室に200インチのスクリーンを設置する一方で、6000枚以上のレコードを所持、アナログオーディオ再生にもこだわる。今回の試聴で使ったアルバムはアンネ=ゾフィー・ムター/ジョン・ウィリアムズ「アクロス・ザ・スターズ」など。

小沼理
1992年生まれのライター・編集者。最近はSpotifyのプレイリストで新しい音楽を探し、Apple Musicで気に入ったアーティストを聴く二刀流。今回の試聴で使ったアルバムは「エアにに」(長谷川白紙)など。

(文 小沼理=かみゆ、写真 ヒロタコウキ=スタジオキャスパー)

MONO TRENDY連載記事一覧
注目記事
MONO TRENDY連載記事一覧