平成の人気商品NO.1はシャウエッセン 令和は?日経POSで見る人気商品

平成の時代に「日経POSセレクション」に選出された主な商品

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売っているのは「モノ」じゃない (編集委員 中村直文)

人口が減り、1人当たりのカロリー摂取量が少なくなる今、消費者は何を求めているのか。モノそのものではない。欲しいのは新しい生活スタイルと情報だろう。

本社ビルを壊したり、人気のバンドや奇抜なキャラクターが登場したり、日清食品はなぜここまでコマーシャルにこだわるのか。「食べる」という基本的価値のアピールに加え、娯楽としての価値を訴えてたいからだろう。事実、同社ではどれだけ顧客に刺さったのか、ネット上のページビュー数の目標を常に掲げている。

そのために日清食品の戦略は3つに分かれる。店頭での地上戦、テレビコマーシャルなどの空中戦、そしてネットを活用したサイバー戦だ。話題にならないと消費者は振り向いてくれないとの考えから、様々なコミュニケーション手段を活用する。

飽食時代の加工食品はおなかを満たすだけでは売れない。せっかく食べるならば、健康にいい、財布に優しい、インスタ映えするなどの付加価値が重要だ。

例えば、明治の菓子詰め合わせ「きのこたけのこ袋」。食べたいものをちょっとずつ食べたいという志向に応じただけでない。ネットなどで「きのこの山とたけのこの里。あなたはどっち派」という“論争”が以前起きた。この商品は双方の和解を楽しむといった娯楽価値を提供している。

通常の2倍の値段で売れるもやしが話題になった。サラダコスモ(岐阜県中津川市)の大豆もやしだが、消費者は高いもやしを買ったわけではない。この商品の袋に大きく印刷している「イソフラボン」という栄養素を買っているのだ。今の消費者は忙しい。食べながら健康を守るのが1番手っ取り早い。

それをいかに無理なく、提供できるか。キッコーマン飲料の「キッコーマン 豆乳おからパウダー」は味噌汁やヨーグルトなどに入れることができる。東洋水産の「マルちゃん パリパリ無限キャベツのもと 1食入」も興味深い。簡単に調理でき、野菜をつまみに変えられるほか、スナック菓子のようなパリパリ麺の食感が野菜嫌いの子供の食欲も促す。1品増やしたい主婦も助かる。

消費は「モノ」から「コト」へ。そして今やその時、その場所でしか味わえない「トキ」の時代とも言われる。まさに生活の瞬間を楽しむ素材を提供するマインドが企業に求められている。

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[2019年12月29日付 日本経済新聞朝刊]

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