2020年が「就活イヤー」となる後輩たちに役立ててもらおうと、春の入社を待つばかりの内定者4人が語り合った座談会の後編。前編で語られた多くの体験から導き出される教訓は何か。「受け身でなく、自分から動いてみよう」「1人で考え込まないで」――。就活生の「お守り」になるようなメッセージがこもる言葉が次々飛び出した。(司会はU22編集長・安田亜紀代)
Aさん 明治大学4年の女子学生。広告制作会社へ就職予定。
Bさん 都内私立大学院2年の男子学生。大手メーカーへ就職予定。
Cさん お茶の水女子大学4年。金融系へ就職予定。
Dさん 法政大学4年の男子学生。証券会社へ就職予定。
――大企業かベンチャーか、迷う学生が多いけれど、皆さんはどう考えましたか。
Aさん 私はベンチャー企業でインターンをして、事業内容が変わるケースがよくあることを知りました。お金になる事業をしなければならないのはわかるのですが、ころころ変わるのも嫌だったので、自分にはベンチャーは合わないと思った。でも大手にも行きたくなかったんです。自分に存在意義がある会社に行きたい。何千人の中の1人ではなく、Aさんとちゃんと認識してもらえる会社がいい。替えがきかない存在でいたいと思い、今の内定先を選びました。
Dさん 僕は大企業派でした。そもそもなんのために勉強をがんばって、今の大学に入ったのか。自分の中に「学歴主義」みたいなところがあるんです。ベンチャーだと学歴による(有利不利の)違いがあまり顕著に出てきませんよね。だったら、大学名を最大限に生かして、大企業に行こうと思っていました。
「学歴」実感、でも最後は…
――学歴や学部間格差を感じたことはありましたか。
Dさん 金融系は顕著だったと思いますよ。業界1位の企業ともなると、早稲田、慶応、上智がメインだったなあ。GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)は、そこにどれだけ食いついていけるかという状況でした。でも、(面接に進めた会社では)とりあえずスタートラインには立たせてもらえたわけだから、そこから先は早慶に負けないようにしようと思ってました。門前払いされなければ、そこからは自分次第です。
Bさん 文系で大学院に進んだので、違う意味ですごく気にしました。文系で大学院に進んだのはなぜ? と聞かれるだろうと思いましたから。理系なら専門分野の研究を深めるという目的がはっきりしてますけど「文系だと、学部生とあまり変わらないよね」とか「大学院の研究とうちの会社の仕事となにか関係ある?」と聞かれることもあった。不安でした。
Cさん お茶の水女子大は学校の規模が小さいから「企業と私大の学生だけの懇親会があったらしい」なんて話を聞くと不安でした。でも、本選考が始まってからは、結局は実力だなと思えました。
――就活がうまくいった学生ってどんな人たちが多かった?
Bさん ざっくりしてるんですけど、気持ちよくがんばれて、ちゃんと話を聞ける人かなあ。何社も内定をもらった人はみんな、とても気持ちがいい人なんですよ。
Cさん 就活での「成功」って人それぞれでとらえ方が違うでしょうけれど、就活を楽しめる人かな。
Dさん そうかも。僕は楽しかったです。就活はゲームだなと思ったら、落ちるのも当たり前だと思えたし、ゲームでレベルアップするためにスキルをつけようって考えていました。