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本当に通年採用になる? 学生に「ずっと就活」の不安

企業の採用担当覆面座談会(下)

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NIKKEI STYLE

就職活動の経験者なら思ったことがあるかもしれない。就活って化かし合いだな、と。お互いに目に見えない仮面をかぶった会話に終始し、企業の採用担当者が本当はどう思っていたのか最後までわからなかったなんてことも少なくない。いったい本音はどうなのか。匿名による採用担当者らの「覆面座談会」で、就活生の素朴な疑問について語り合う。

<<(上)就職面接なぜかみ合わない 採用担当と学生本音トーク

2019年秋の座談会。前半の「就活の軸」に続く後半のテーマは「通年採用」だ。こちらも曖昧に使われがちな言葉だが、従来の「新卒一括採用」と対比される仕組みそのものの話だけに、その広がりが自分にどう影響するのか心配する学生は少なくない。どうやら採用する側にも似た不安があるようだ。

【出席者】
Aさん 電機系ベンチャーのアラフォー女性。転職組だが以前の会社から通算して15年の人事経験がある。
Bさん エンターテインメント会社の30代男性。企画部門を経て人事に異動し、採用を4年間担当。
Cさん 民間金融機関の30代男性。営業を経て人事部門に10年在籍。そのうち採用担当は1年。
Dさん 交通系企業の40代男性。営業などを経て人事部門で採用を10年担当してきたベテラン。
Eさん 素材メーカーの40代男性。広報・IRなどを経て人事部門を10年経験。採用担当は4年。
Fさん Eさんと同じ素材メーカーの40代男性。営業などを経て人事部門に13年。採用は3年担当。
学生1 私大経済学部4年の女性。人事コンサルに内定。
学生2 私大法学部4年の男性。金融大手に内定。
学生3 私大理工系大学院修士課程2年の男性。通信大手に内定。
司会はU22編集長の安田亜紀代。

――通年採用を巡る議論は曲折しています。経団連が通年採用拡大の方針を示した後、政府は採用面接の解禁時期を大学4年の6月とするなど現行ルールを22年春の卒業生まで続けると表明しました。企業も学生も振り回されていませんか。

Cさん そもそも経団連の方針の中で言及されている「通年採用」が何を指しているのかよくわからない。

Dさん 入社時期が通年になるという意味なのか、採用活動を一年中展開するという意味なのか。

Eさん 我々が通年にしたいと言っているわけではないし……。

――説明会・面接など採用活動が始まる時期は経団連の就活ルールに沿った3~6月とは限らなくなっていましたよね。

Bさん 基本は3月に採用活動を始めて6月に内定を出すスケジュールですが、内定の時期はけっこうバラバラになってきています。海外の大学を卒業する学生や卒業が遅れる学生もいますから。

Cさん そうですね。内定は6月くらいから出していますが、その時期で採用活動をやめたわけではなく、ウチは今でも入社希望の扉はオープンにしていますよ。

Aさん 採用活動を通年でやっていない企業はあまりないのではないかな。

毎月新人研修、担当社員「お手上げ」

――入社時期も通年になっていますか。

Eさん 4月入社が最も多いのですが、海外の大学などで卒業時期が春ではない学生は別の時期に入社します。

Dさん 新卒入社の時期が通年になると、新人研修も担当している私は本当に困る。毎月のように研修が入ったらお手上げです。

Fさん 仮に今後、就活時期のルールがなくなったとしても、どこかにボリュームゾーンの時期ができるのではないかと思います。そのほうが企業、学生のどちらにとっても効率的ですよね。

Cさん 通年って言っていますけれど、正直なところ、どこかにピークをつくることが効率的だとは思います。学生さんもそうでしょう?

学生2 時期がはっきりしていれば「私の就活はこれでおしまい」と区切りがつけられる。僕は就活を終わらせて早く遊びたいと思っていたから、もし会社ごとに採用活動の時期が違って就活がずっと続いていたらと思うと、ちょっとしんどいなあ。

学生3 就活自体は、いろいろな企業の方に会えるので楽しい面がかなりあるんです。でも面接で落とされることが続いた時期は、やはり楽しいとは思えない。あれがずっと続くとつらいです。

――内定時期がバラバラになって困ることは、ほかにもありますか。

学生1 内定時期がバラバラだと、学生が内定を承諾する期限もバラバラになります。1社目の内定を保留しながら次を検討することがやりにくくなると、納得いく決断ができなくなりそうです。

Dさん そんなまじめな学生ばかりだったらいいですよ。承諾期限を過ぎても他社の就活を続けている学生はいます。今でも企業側は「この学生は本当に入社日に来るのかな」とドキドキしながら内定を出すケースがあるのに、他社の内定時期が読めないとなると、いったい何人に合格を出せばいいんだか。怖いと思います。

同じ大学生でも1年と4年は違う

――そうなると内定の早期化も進みますか。

Cさん 早くなると思いますよ。大学1年から内定を出す会社も増えてくる一方で、今まで通りのスケジュールの会社もある。となると、まじめな子だと1年生から就活して内定をもらっても、その進路に疑問を感じて2年生で別の内定をもらいに動くことになりかねない。4年間ずっと就活で悩み続けるような大学生活でいいのかな、と少々疑問に感じます。私が採用責任者をしている間は、通年採用が世の流れだとしても1年生に内定を出すつもりはありません。大学生は3年間でぐんと成長するので、1年と4年では全然違うからです。

――新卒を一括採用する日本の仕組みは通年採用とは相いれないような気もしますが、どうですか。

Bさん 欧米だと大学を卒業してからインターンで経験を積んで本採用に至るという流れがありますが、日本の大学教育や企業の採用制度は、海外とは全然違います。

Aさん 海外は早くから自分の専門分野を決めますよね。だから特定の部署に必要な人材を通年で採用するやり方がうまくいきます。一方、日本は総合職で一括採用し、人事異動させながら育て、適性にあった職種や部署に配属していきます。この仕組みも決して悪くない。企業は専門性の高い即戦力も、じっくり育てたいポテンシャルの大きい人材も、どちらも採用したいと思っているんですよ。

Cさん 通年採用が広がると、究極的には欧米のようになるんでしょうね。新卒で採用せず、必要な部署で専門性のある人材を採用する「ジョブ型採用」になる。ただ、日本は採用したらそう簡単に解雇できない法制度になっていますから、通年採用やジョブ型採用はすぐには広がらないと思います。現時点での通年採用の拡大は、どうしても辻つまが合わないことが出ると多くの企業が思っているはずですよ。

プレッシャーと感じる必要なし(安田編集長)
「通年採用の拡大」は、新卒一括採用が時代に合わなくなってきたとの発想で浮上してきた。グローバル競争にさらされる日本企業が年功序列や終身雇用を見直すなか、採用も能力重視に変えていかなければならないというロジックだ。もしそれによって学生が研究時間や知見を広める経験を得にくくなり、肝心の「能力」を十分に高められないとすれば本末転倒だろう。採用担当者の心配も研修時期など目先のことばかりではない。
 そこをうまくクリアできれば大きなプラスをもたらす可能性はある。大事な最初の就職先がほぼワンチャンスで短期間のうちに決まってしまう従来型の不自然さが是正されていくからだ。既卒のチャンスも広がることになる。むしろ自分が学生時代にやりたいことを見つける、やるべきことに集中するための仕組みと捉えるくらいの気持ちでいいのではないか。きっと企業側もそんな人材を求めている。ましてや学生がプレッシャーに感じる必要はまったくないと思う。

(取材・構成 藤原仁美)

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