本当に通年採用になる? 学生に「ずっと就活」の不安企業の採用担当覆面座談会(下)

2019/12/11
6人の採用担当者らが学生を交えて本音トーク(2019年秋、東京・大手町)
6人の採用担当者らが学生を交えて本音トーク(2019年秋、東京・大手町)
就職活動の経験者なら思ったことがあるかもしれない。就活って化かし合いだな、と。お互いに目に見えない仮面をかぶった会話に終始し、企業の採用担当者が本当はどう思っていたのか最後までわからなかったなんてことも少なくない。いったい本音はどうなのか。匿名による採用担当者らの「覆面座談会」で、就活生の素朴な疑問について語り合う。

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2019年秋の座談会。前半の「就活の軸」に続く後半のテーマは「通年採用」だ。こちらも曖昧に使われがちな言葉だが、従来の「新卒一括採用」と対比される仕組みそのものの話だけに、その広がりが自分にどう影響するのか心配する学生は少なくない。どうやら採用する側にも似た不安があるようだ。

【出席者】
Aさん 電機系ベンチャーのアラフォー女性。転職組だが以前の会社から通算して15年の人事経験がある。
Bさん エンターテインメント会社の30代男性。企画部門を経て人事に異動し、採用を4年間担当。
Cさん 民間金融機関の30代男性。営業を経て人事部門に10年在籍。そのうち採用担当は1年。
Dさん 交通系企業の40代男性。営業などを経て人事部門で採用を10年担当してきたベテラン。
Eさん 素材メーカーの40代男性。広報・IRなどを経て人事部門を10年経験。採用担当は4年。
Fさん Eさんと同じ素材メーカーの40代男性。営業などを経て人事部門に13年。採用は3年担当。
学生1 私大経済学部4年の女性。人事コンサルに内定。
学生2 私大法学部4年の男性。金融大手に内定。
学生3 私大理工系大学院修士課程2年の男性。通信大手に内定。
司会はU22編集長の安田亜紀代。

――通年採用を巡る議論は曲折しています。経団連が通年採用拡大の方針を示した後、政府は採用面接の解禁時期を大学4年の6月とするなど現行ルールを22年春の卒業生まで続けると表明しました。企業も学生も振り回されていませんか。

Cさん そもそも経団連の方針の中で言及されている「通年採用」が何を指しているのかよくわからない。

Dさん 入社時期が通年になるという意味なのか、採用活動を一年中展開するという意味なのか。

Eさん 我々が通年にしたいと言っているわけではないし……。

議論の経過はイラストやカラー文字を駆使する「グラフィックレコード」で記録(協力=dot)

――説明会・面接など採用活動が始まる時期は経団連の就活ルールに沿った3~6月とは限らなくなっていましたよね。

Bさん 基本は3月に採用活動を始めて6月に内定を出すスケジュールですが、内定の時期はけっこうバラバラになってきています。海外の大学を卒業する学生や卒業が遅れる学生もいますから。

Cさん そうですね。内定は6月くらいから出していますが、その時期で採用活動をやめたわけではなく、ウチは今でも入社希望の扉はオープンにしていますよ。

Aさん 採用活動を通年でやっていない企業はあまりないのではないかな。

毎月新人研修、担当社員「お手上げ」

――入社時期も通年になっていますか。

Eさん 4月入社が最も多いのですが、海外の大学などで卒業時期が春ではない学生は別の時期に入社します。

Dさん 新卒入社の時期が通年になると、新人研修も担当している私は本当に困る。毎月のように研修が入ったらお手上げです。

Fさん 仮に今後、就活時期のルールがなくなったとしても、どこかにボリュームゾーンの時期ができるのではないかと思います。そのほうが企業、学生のどちらにとっても効率的ですよね。

Cさん 通年って言っていますけれど、正直なところ、どこかにピークをつくることが効率的だとは思います。学生さんもそうでしょう?

学生2 時期がはっきりしていれば「私の就活はこれでおしまい」と区切りがつけられる。僕は就活を終わらせて早く遊びたいと思っていたから、もし会社ごとに採用活動の時期が違って就活がずっと続いていたらと思うと、ちょっとしんどいなあ。

学生3 就活自体は、いろいろな企業の方に会えるので楽しい面がかなりあるんです。でも面接で落とされることが続いた時期は、やはり楽しいとは思えない。あれがずっと続くとつらいです。

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