2019/10/25

実際の選考で有利になるのか?

こうした選抜コミュニティでの対策は実際、内定に結びつくのか――。ファクロジ・エグゼを運営するスローガンの川野真太郎・執行役員は「対策したからといって受かるわけではありませんが、場慣れできること、学生同士やメンターとのつながりができることで、他ではなかなか入手できない情報を手に入れられる効果は大きい」と話す。

では、選考での優遇措置はあるのか。

「企業によってはエントリーシートの免除などを行っています。選抜コミュニティに所属する学生はある程度スクリーニングされた集団なので、選考の効率を上げたいと考えるコンサル企業側にとっては、選考の一つの目安にはなるのでしょう」(川野さん)

戦略コンサルの採用担当者にも、選抜コミュニティはどう映っているのか聞いてみた。

「グループディスカッション講座などで協力はしていますが、来ている学生を優遇まではしません。不公平になりますから。各コミュニティも年によって内定実績に変化があり、かなり移ろいゆくものだという印象です。普通に考えて、塾のようになってしまっているのはちょっと気持ち悪いですけど、適度にお付き合いしようという感じです」

この会社では、本選考ではフェルミ推定は出さなくなったという。「近年対策され過ぎて、みんなできるようになったから」だ。となるとケース面接などでも、あまり差がつかなくなっているのか?

ベインの堀之内さんは「面接でフィードバックし、次回にどれだけ進化しているかを見る」と語る

「いや、そんなことはないです」と笑ったのは、ベイン・アンド・カンパニーの採用担当パートナー、堀之内順至さん。

「実際の面接では、いろいろな角度から質問をしますが、我々は『コーチャビリティ(coachablity)=コーチを受ける能力』を含め、多角的に人物を見ているからです。意見やアドバイスを素直に受け入れた上で、一段上の答えを生み出せるかどうか。さらに1回面接するたびにフィードバックをし、次の回でどれだけ進化しているかを見ています。そうした力は、練習だけでのばすには限界があります」

さらに、同社が重視するのは、スムーズな対人関係を築くために欠かせない冷静さや謙虚さ、共感力などの「EQ(心の知能指数)」だという。「コンサルティングというは、クライアントの『心』を動かせなければ、仕事にならないですからね。そしてこの能力は一朝一夕で得られるものではないので、『対策』は難しいでしょう」

選抜コミュニティの存在感が増すと、そこに入らなければダメかのように錯覚しがちだ。しかし、入れたとしても、それは一定以上の知力があると認められたにすぎない。コンサル企業が求めているのは、クライアントの信用を得られる人物。「お受験」のような風潮に振り回されるのは禁物だ。

(石臥薫子)

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