最初の3カ月は黙って受け入れよう
業務フローやマニュアルなどについても、「わかりにくい」「使いづらい」「非効率だ」などと感じることもあります。そんな場合も「前の会社ではこうだった。そのほうが効率的だ」という言い方で指摘するのは控えましょう。
実際、前の会社のマニュアルや手法のほうが優れていたとしても、まずはその会社のやり方を素直に受け入れるべきです。今のやり方で運用されているのには、何らかの理由があるのかもしれません。
せめて最初の3カ月ぐらいは、現状を「いったん受け入れる」というスタンスで臨むことをお勧めします。そうするうちに、「こういう経緯や事情があってこうなっているのか」といったことが徐々にわかってきて、課題の本質がつかめるようになるでしょう。そのうえで、新しいシステムやツール、手法の導入を提案するようにしてください。
「丁寧に説明しているのに、メモを取らない」
新しい職場に入ると、業務の進め方はもちろん、ちょっとした職場のルールなどについても説明を受けます。その際、メモを取らない人が意外と多いようです。新入社員への説明・指導を担当する既存社員の側からは「ちゃんと理解しているのか、不安になる」「真剣に覚えようとする気があるのかどうか、疑問を感じる」などの声が挙がっています。
もちろん、1回聞いたらちゃんと覚えていて、間違いなく実行できるのであれば問題はありません。しかし、メモを全く取らない人ほど、後になって「これって、どうでしたっけ?」と質問してくることが多く、相手をいら立たせてしまうようです。
私自身も会社員時代は、新人に指導する立場にありました。私が説明しているとき、「一字一句聞き逃すまい」という勢いでメモを取っていた新人からは、本気で吸収しようとする意欲が感じられて、教える側としてもモチベーションが上がりました。
聞いただけで覚える自信があったとしても、「メモを取る」という行動を見せることで、相手を安心させ、「意欲的な人」とプラスの印象を与えられるものです。