ファミマ社長の熱血教室 学生の提案「一緒にやろう」

大教室で学生に囲まれる沢田社長
大教室で学生に囲まれる沢田社長

大学生がファミマ社長に直接提案、その結果は……。法政大学キャリアデザイン学部の田中研之輔教授による特別講義にファミリーマートの沢田貴司社長(62)が登壇した。大学生らが直接、ファミマの新規事業や将来像をプレゼン。学生からの斬新な提案に沢田社長は「それは考えたことがなかった」「ぜひ一緒に検討しましょう」と身を乗り出して答えていた。

■深沢大志さん(1年) ファミマ学内移動販売 食品ロス対策にも
 法政大キャンパス内にはファミマはなく、競合他社のコンビニが入居しています。お昼時は大混雑なのでファミマが法政大のキャンパスで移動販売してはどうでしょう。時間設定と商品設定の2つを工夫したらいいと思います。まず、時間はお昼だけ。人件費を削減でき、ピンポイントの営業で効率よく店をまわせます。

 そして商品の提案は2つ。1つは、消費期限の近い商品を定価より安く売る。学生も助かるし、食品ロスの問題の解決にもつながると思います。もう1つは弁当と飲み物で500円のワンコイン販売。効率的に販売でき、混雑の緩和につながります。ファミマにとっては少ない人件費で食品ロス対策にもなるプロジェクトです。法政大生にとっても、安く買えて混雑も緩和されたらうれしい。両者win-winだと思いますが、いかがでしょう?

(沢田)かなり具体的で面白かった。移動販売はできるかもしれないです。本社に是非来てください。移動販売車の担当者と商品の担当者を紹介しますから、具体的に詰めてみてください。課題が多いので簡単ではないと思うんだけど。ぜひ一緒に検討してみましょう。

法政大のキャンパス内のコンビニが(ファミマではなく)他社さんだったように、どこに出店するか日々(他社と)しのぎを削っています。それでも、ライバルは自分たち自身だと常に自分に言い聞かせています。そうしないと大事なものを見失ってしまうんです。どこまでお客様に支持されるかを、常に考え続けることが一番大切だと思っています。

■男子生徒(1年) ファミマ×スナックで日本の孤独を救う
 日本人の孤独はヤバいです。社会的孤立度(家族以外の人との交流がない人の割合)は世界でもかなり高いほうだし、生涯未婚率も上昇している。孤独死の数も増えています。人生100年時代とか働き方改革とか言われているけど、まずは孤独を解決しなければいけないのです。そこで僕が提案するのは、ファミリーマート×スナック、その名も「ファミスナック」です。店内のイートインコーナーを活用し、そこで地域の人が集まって飲みながらコミュニケーションできる。仕事が終わったら、ファミマでおつまみを買ってスナックへGO!というイメージです。

 夜の間、スナックだけに活用するのではなくて、時間帯に合わせて、イートインコーナーの使い方も変えていけばいいんじゃないか。主婦の時間帯、学生の時間帯と工夫すれば、コミュニティの形成にも一役買えるのではないでしょうか。ファミスナックは日本の孤独を解決するとともに、コミュニケーションの場にもなるはずです。まさに「あなたとコンビにファミスナック」です。