吸汗速乾 シャツの下に着るインナーも高機能に
特集 夏を乗り切る大人向けTシャツ
夏を快適に過ごすには、機能を重視したウエア選びがポイントとなる。第1回、第2回では大人に似合うTシャツを紹介したが、第3回はシャツの下に着る高機能インナーを取り上げる。汗を吸って素早く乾き、ドライな状態をキープする吸汗速乾機能は夏に大活躍。そのほか接触冷感や抗菌防臭機能も備えるなど、インナーを見直すことで夏の着こなしは格段に快適になる。実際、若い世代を中心にTシャツの下にインナーを着る人も増えているという。
吸汗速乾に接触冷感機能をプラス
洋服の青山が、汗によるべたつきや臭いを軽減するために開発したのが「COOL CONTACT(クールコンタクト)」のインナー。ナイロン85%、ポリウレタン15%の生地は吸汗速乾性に優れ、防臭効果も高い。ストレッチが利いているため着心地も快適だ。
生地に放熱塗料をプリントしてあり、触ると冷たく感じる接触冷感機能も備える。人体から発生する熱エネルギーを特殊加工が吸収し、遠赤外線に変換して大気中に放出。そのため、生地はひんやり感じられるという。また、熱を外へ逃がすと同時に、太陽からの遠赤外線をブロックするUVカット機能を持つため衣服内を快適に保つ。
「2019年4月の発売以来、売り上げは順調に推移している」と話すのは、青山商事・洋服の青山のメンズプレス、石倉大祐氏。外回りの多い営業職や、屋外で仕事をする人たちから支持されているそうだ。
Tシャツ専用のインナーウェア
下着メーカーのグンゼによると、20~60代の男性約1000人を対象に行った調査で、約35%の人が「Tシャツの下にインナーを着る」と回答したという。特に20代では56%と高く、「インナーの着用は定着化している」(グンゼ・インナーウエア事業本部メンズMDの古賀智治氏)。
その傾向をうけ、同社が2019年3月に発売したのがTシャツ専用のインナーウエア「in.T(インティー)」。デザインは袖のないスリーブレスで、ネックまわりも大きく開いているため、インナーがTシャツの首元や袖口からはみ出すこともない。
生地には吸汗速乾素材を使用。襟・袖・裾が切りっぱなしになった同社オリジナルのカットオフで仕上げているので、縫い目がなく着心地がいい。脇部分に、脇ぐりの生地を二重にした汗取りパッドを備えており、Tシャツの脇汗じみも防げる。
「品薄状態が続くほどの人気で、計画比3倍の売り上げ」(古賀さん)。Tシャツの下にインナーを着たいが、何を着ていいか迷っている人の潜在ニーズに応え、幅広い世代から支持を得ているという。ユーザーからは「こんな商品を待っていた」「インナーに何を着ていいか困っていたからうれしい」「汗取りパッドがとてもよい」「今までTシャツの下にインナーを着ると考えたことがなかったけれど、着てみると快適で驚いた」といった声が寄せられているそうだ。
コットン100%なのに触るとひんやり
創業約80年の国内インナーメーカー、アズが展開する「EXCIOR(エクシオール)」。同社の「アイスコットン」は、綿100%でありながら接触冷感機能を持つ。
スイスのスポエリー社が開発した超長綿糸「アイスコットン」を使用。もともと繊維が長い綿は吸湿性が高く、水を放出する力が強い。この超長綿糸に強いよりをかけることで、繊維の隙間が少なく空気の層ができないようにしている。そのため生地に触るとひんやり感じられるという。
天然繊維なので肌にやさしく、立体裁断のため動きやすい。さらに、加齢臭にも対応する消臭加工をプラスし、インナーとしての機能を高めている。
アズによると、クールビズが始まった2005年当初、各メーカーから数々の高機能インナーが登場し、競争も激化していったという。その結果、ユーザーに支持された商品が残り、継続して販売されている。本作も2011年の発売から現在まで販売を続ける人気商品。現在も年間6000枚の販売実績があるという。
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(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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