――先代社長のお父さんからはどんなことを学びましたか。

「直接、ああしろ、こうしろとは指導されませんでした。ただ、すごく耳に残っている言葉があります。父はいつも『働く者の楽園づくりを目指す』と言っていました。別に遊んで暮らすパラダイスということではなくて、社員にとって働いて楽しい会社にしたいということです」

社員全員に幸せになってほしい

「縁あって社員になってくれた人たち全員に、公私ともに幸せになってほしいですね。個人情報保護の問題もありますが、仕事でも生活でも相談に乗ったり乗られたり、信頼し合う関係が理想だと思います。実際の職場では、上司が怖いとか、合わない人がいるとか、色々あると思いますが、それらを乗り越えていい職場環境をつくろうとするのが、社長のあるべき姿だと思います」

――自分自身としてはどのようなリーダーでありたいと考えていますか。

「常に明るく楽しく、ということは心がけています。やっぱり仕事って、楽しくなければやっていられないですよね。毎日会社で長い時間を過ごすわけですから、会社がつらかったら、人生そのものがつらくなってしまいます。仕事や会社が楽しい、面白いと思えることはとても大事だと思います」

常に「明るく楽しく」を心がけていると話す

「私自身も『仕事って面白い』と思っています。もちろん会社の業績を上げることを目標に頑張っていますが、それはある意味、ゲームのようなものです。良かったり悪かったりして一喜一憂します。つらいこともありますが、業績を上げられればすごくうれしいし、上場企業だと世間も評価してくれます。こんな面白いゲームはないでしょう」

仕事を教えてもらうのは楽しいこと

「子供のころ勉強が大嫌いでした。『やれ』と言われるから嫌だったのかもしれません。それがあるとき『勉強って知らないことを知ることなんだ』『分かるって楽しいことなんだ』と気づきました。学校でも塾でも、会社でもそうですけど、ありがたいことに周りに色々教えてくれる人がいるわけです。特に会社で仕事を教えてもらうって、楽しいことです。社員にもそう思ってもらえる環境をつくるのもリーダーの役割なのでしょう」

――社員の育成についてはどのように考えていますか。

「できる限り長所を伸ばすことです。会社に入ると大体の人が短所を補おうとしますが、そうすると同じような人間ばかりになってしまいます。それはそれで平和でしょうが、画期的な新製品は生まれないと思うのです。多少欠点があっても目をつぶって、長所をさらに伸ばす。各人の長所をいいとこ取りして組み合わせると、パワーを引き出せるのです」

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