育休の連続取得は可能 給付金2人目以降は確認人生100年時代のキャリアとワークスタイル

2019/5/23

育休取得は働き方による違いも

ところで、産休は勤続年数やパート・アルバイトといった雇用形態にかかわらず女性であれば誰でも請求することができます。一方、育児休業の場合、労働者が有期契約労働者のときは、次の要件をいずれも満たす必要があります。

育児休業を取得することができる有期労働契約者とは?

1)同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
2)子が1歳6カ月に達するまでに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと

(注)2歳までの延長は2)の1歳6カ月を2歳に読み替える。

そのほか、法律に基づき、育児休業の申し出をすることができない範囲を定めた労使協定があれば、育児休業が取得できない場合があります。

こうした社会保険の恩恵……。確かに手厚くなってはいますが、これは働くすべての人を対象としているわけではない、という点に留意する必要があります。自営業やフリーランスの方は、雇用保険の対象とならないため、育児休業給付金を申請することはできません。

国民年金については、産前産後の期間(出産予定日又は出産日が属する月の前月から4か月間)において、2019年4月から自営業者等の国民年金第1号被保険者についてもようやく免除されるように改正されました。しかし、出産手当金制度はありません。働き方による違いがある点には、留意したいところです。

連続して育児休業を取得することに、批判的な意見もあるようです。最近では、元アナウンサーが約7年間の育休取得の末、退職したことが話題になりました。しかし、育児休業は法的に認められた制度であり、これに萎縮して出産を諦めてしまうというのは、残念でなりません。子宝に恵まれたのであれば、遠慮せず育児休業の申し出をして構わないと思います。安心して子どもを出産し、育てられる寛容な社会であってほしいと願います。

ただひとつ、育児休業制度は職場復帰を前提としているものです。子育てをしている間に、様々な環境の変化が起こり、退職せざるを得ないという場合もあるかもしれません。しかし、最初から復帰する意思が全くないにもかかわらず、育児休業を申し出るようなことは賛同できません。各保険制度から給付金が出るのも、会社が保険料を半分以上負担していることを忘れてはならないでしょう。

佐佐木由美子
人事労務コンサルタント・社会保険労務士。中央大学大学院戦略経営研究科修了(MBA)。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所などに勤務。2005年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開設し、現在に至る。女性の雇用問題に力を注ぎ、働く女性のための情報共有サロン「サロン・ド・グレース」を主宰。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険の手続きがまるごとわかる本」をはじめ、新聞・雑誌などで活躍。
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