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「平成」を創ったクルマたち ニッポンの輝ける5台

2019/4/25

相反する要素を高次元で両立させる二律双生思想や、課題の原因を対処的ではなく根源から取り除く源流主義といった開発哲学は現在のトヨタにも大きく影響を与えており、その意に沿って大量の人員と開発費を投じて作られたセルシオは圧倒的品質と異次元的快適性を武器に、その1台で世界のトップサルーン群に割って入る存在となった。

■ステップワゴン/日本車の形状を変えた

平成8年(1996年)に発売されたステップワゴン。日本のファミリーカーの形を変えた1台

3列シートで6人以上の乗車定員を持つミニバン的カテゴリーのクルマといえば、かつては荷室空間の大きい商用車をベースとしたものが大勢だった。そこに乗用車的なアーキテクチャーを用いることで「広く軽く安い」という三要素を成立させたのが平成8年(1996年)に発売されたステップワゴンの功績だ。

なぜホンダからそのアイデアが生まれたかといえば、長年FF(フロントエンジン・フロントドライブ)を作り続けてきたことでエンジンやミッションなどの主要コンポーネンツを小さくまとめることや、床板をフラットに作ることなどに慣れていたという見方もできるだろう。同種のクルマとしてはオデッセイの方が先駆けとなるが、日本のファミリーカーとして受け入れられたのはステップワゴンのコンセプトだった。他社への影響を含め、日本車の形状を変えた一台といっても過言ではないだろう。

■ロードスター/平成元年生まれのスポーツカー

平成元年(1989年)に発売されたロードスター。現在もマツダが大事に守り続けている存在だ

前代未聞の5チャンネル販売網構築と、おのおのに向けた専用車種開発という、今振り返ると明らかな失策の先陣を切って、ユーノスブランド向けの車種として平成元年(1989年)に発売されたのがロードスターだ。

小さく軽いボディーに見合った小排気量エンジンを載せてキビキビと走り回る2シーターのライトウエイトオープンは、自動車メーカー間では70年代以前の「枯れ果てたトレンド」として認識されていた。その趣旨を本格的なメカニズムと共に復活させたロードスターは世界中で愛され、メルセデスベンツやBMWまでを巻き込んだ再びのライトウエイトオープンブームの発端となる。

その後バブル崩壊と共に経営危機を迎え、フォードの傘下となったマツダだが、自らのアイデンティティーとしてこのクルマは大事に守り続けてきた。それが好調を続けながらブランド再構築を図る現在の同社の姿につながっていることは想像に難くない。

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