2019/3/2

お笑い芸人に学ぶ「愛され対話術」

短所をどう改善した方がいいか? という発想は全くありません。むしろ短所を魅力であると認識した上で、最大限にアピールして人に伝えるという作業をしています。そうすることで笑いを生み出し、人から愛される存在となっていくわけです。

孫正義氏の懐の広さ

ビジネスの世界でも、ソフトバンクを創業した孫正義氏がツイッターで頭髪のことについてフォロワーの方にいじられた際に「髪の毛が後退しているのではない、私が前進しているのである」と自分の短所を笑いに変えて、人間的な懐の広さを見せていらっしゃいました。

短所を魅力に変えていく。それは生きていくうえで非常に重要なことだと思います。

人は通常、不幸なできごとを嫌がります。親の会社が倒産した、財布を落としてしまった、家が貧乏だ。正直、できるだけ経験しないで済むなら経験したくないですよね。でも、お笑い芸人は、不幸を笑いに変える力を持っています。

明石家さんまさんにこんなエピソードがあります。六本木の街を歩いていたとき、見知らぬ若い人に後ろからお尻を蹴り上げられたそうです。普通の方なら「何だお前は!」と怒ると思います。

でも、明石家さんまさんは「ナイスキック!」と言ったそうです。そして、その不幸なできごとを笑い話として昇華し、披露しています。

では、なぜ不幸を笑いへと昇華することができるのでしょうか?

面白がる力こそ、お笑い芸人の強み

もちろん、お笑い芸人は面白いことをするのが仕事です。不幸や短所は笑いのネタになりやすいから、仕事としてやっているのだろうと思う方も多いと思います。ただ、面白いことを探して日々生活していると、「面白い」にアンテナが張られ、人一倍面白いことに敏感になります。

すると、どんなにつらく、苦しい状況からでも面白いことを見出し、ポジティブに捉え直すことができるようになってくるのです。不思議に思われるかもしれませんが、本当なのです。