吉本坂46 プロの表現者としてのすごさを見せたい

日経エンタテインメント!

秋元康プロデュースによる坂道シリーズの第3弾として誕生した「吉本坂46」。吉本興業グループに所属するタレントの応募者1747人の中からオーディションで46人のメンバーが選ばれた。2018年12月12日には『FNS歌謡祭』で『泣かせてくれよ』をテレビで初歌唱し、同年12月26日にメジャーデビュー。吉本坂46を担当しているソニー・ミュージックレーベルズ執行役員の高木伸二氏に、アイドルグループとしての可能性を聞いた。

トレンディエンジェルの斎藤とスパイクの小川が選抜メンバーのWセンター
高木伸二 ソニー・ミュージックレーベルズ執行役員。吉本坂46の運営を統括する(写真:中村嘉昭)

アイドルといっても、8割を芸人が占める異色グループ。高木氏は、これまでとは違った面白さを感じているという。「多様性は吉本坂46ならでは。10代から60代までそろっていて、それぞれに発信できるものがあるのが強みです」(高木氏、以下同)。

6次まで行ったオーディションでは個人の人生ドラマが垣間見え、スタッフにとってもその後の展開を考えるインプットの時間になった。そして、「水着審査」などを取り入れたのも、収穫だったという。「経験豊富な方々なのに、みなさん真剣に取り組んでいて。プロとしての矜持を見ました」。

合格者は大所帯の46人となったため、まずは16人の選抜メンバーを決めた。「最初なので吉本坂46と聞いたときのイメージと近い、ネームバリューのある方たちを選びました」。その後で、他4組の区分けがされた。それぞれに持ち歌が作られたことで、歌詞の世界観で各ユニットの意図するところがメンバーにも伝わったという。

まさかのバッドがグッドを上回る

握手会やライブなど、アイドルらしいことは一通りやる方針。また、吉本坂46でしかできないことにトライしていくという。その1つが、メンバーごとに作った46種類のジャケットだ。それぞれに品番が付き、「明確な売り上げが出るので、吉本坂でないと絶対にできない試みです。『自分たちで売ってきて』みたいなことも遊び心で言えるかなと。製作費は出世払いと考えています(笑)」。

最も苦労しているのは、予想以上の忙しさだったというメンバーのスケジュール調整。どうしてもハードになってしまうが、「嫌な顔を一切せずに、前向きに取り組んでもらえるのが救いです」。

乃木坂46、欅坂46のことは特には意識していない。振り付けのTAKAHIRO氏や、MVを担当した新宮良平監督や池田一真監督ら、共通のスタッフの起用も目立つが、一流の方をと考えた上での結果だという。「MVをYouTubeで公開しているのですが、普通は“グッド”と“バッド”が9対1ぐらいなんです。それが、『泣かせてくれよ』のフル尺は2対1。90秒バージョンにいたっては、まさかの“バッド”のほうが多くて。こんなMVないですよ(笑)。でもいい曲なので、コメントでは『聴いてるうちに好きになってきた』みたいなものが占めるようになってきました。マイナスからのスタートも楽しみたいです」。

アイドルとお笑いをかけ合わせて、唯一無二の存在を目指し、「この人たちが本気になったらここまでできるんだと、表現者としてのすごさを見せたい」と語った。

(ライター 内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2019年2月号の記事を再構成]

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