EXILE HIRO 2020年は超お祭りを用意しています
LDHのビジョンを語る(下)
総合エンタテインメント企業であるLDHのチーフ・クリエイティブ・オフィサーとして様々なプロジェクトに取り組むEXILE HIRO。前回の「EXILE HIRO 僕たちが胸キュンものを作ったら?」に続き、2019年、そして20年以降に向かって、どのような思いを持って進んでいるのかを聞いた。
「20年は、LDHの節目になる年だと思っていて、普通のお祭りではなくて、"超お祭り"を用意しています」とHIROは語る。では、Jr.EXILE世代の各グループにとって、そこに向かう19年はどのような年になるのか。
GENERATIONSは年始のメンバー会議でも感じましたが、すごく一丸となり燃えています。今年の大体のイメージは固まったので、ひたすらそれに向かって頑張るのみ。あとは、EXILEも三代目も、国民的なヒットといえるような曲があるので、ジェネにも絶対に作りたいなと。もちろん、タイミング含めて色々なものが重ならないといけないのですが。メンバー1人ひとりの才能が開花してきたので、個々のパワーも盛り上げつつアーティストパワーをさらに強くしていきたいなと思っています。
THE RAMPAGEは、初のアリーナツアーがあります。壱馬や北人、そしてRIKUの3人のヴォーカルを中心とした16人のステージは、自分も見ていて大好きだし、パフォーマンスに対してストイックさもある。19年は、個々のメンバーがどんな個性を見せてくれるか。どういうキャラで、どういう夢を持ってるかを、もっと僕と共有しながら盛り上げていく年になるのかなと思っています。自分たちももちろんサポートするのですが、そこはメンバー1人ひとりの本気度だと思うので期待しています。
FANTASTICSもダンスを突き詰めていくリーダー・世界のほか、役者でも活躍している大樹がいるので、他のメンバーも具体的に表現の幅を広げる為に様々なことに挑戦したい気持ちがあるのは感じています。まだデビューしたばかりですが、GENERATIONSという良い見本があるので、彼らなりに背伸びをせずに先輩メンバーを参考にして、とにかく目の前のことに対して丁寧に取り組んでいってほしいです。
BALLISTIK BOYZは英語でのパフォーマンスも得意で、(海沼)流星はポルトガル語も話せる。もちろん日本が中心なんですけど、最初から海外のマーケットも視野に入れています。新しいアーティスト候補も新人開発チームを中心に鍛えられていますし、そのグループも昔からのEXPG出身なのでJr.EXILE世代全体で一気に社会現象にしていきたいなと。自分が今年50歳なので、フルパワーでいけるうちに(笑)、新人開発に力を入れていきたいと思います! LDHは夢を持った若者たちの味方なので、どんどん攻めていきたいと思います」
日本での活動はもちろん、ロサンゼルス、ニューヨーク、アムステルダムなど海外拠点を設けるなど、LDHは世界を見据えた取り組みも積極的だ。
「僕らにとって日本のマーケットで夢をかなえて、たくさんのファンの皆さんに喜んでもらえることが1番大切なことに変わりはないので、海外のマーケットに無理矢理挑戦しようというわけではないのですが、今の時代は日本のエンタテインメント業界の中での席の取り合いでは生き残っていけない。日本での活動で得た既存のエンタテインメントビジネスをしっかり守り、強固にしながら、今までとは違うマーケットに自分たちのエンタテインメントの幅をどう広げていくのかをテーマに考えています。
今、LDHではヨーロッパ、アメリカ、アジアに向けてのプロジェクトがたくさんあります。EXILEや三代目はメンバーの多くが様々な経験をして成果を出して可能性をつなげてきた大人なので、日本でグループとしての表現を続けながら、海外での活動は個人の目線で、LDHの組織を使って進めるという棲み分けがうまくできてるのかなと思います。(EXILE/三代目の小林)直己は、リドリー・スコット監督が製作総指揮を担当するNetflix作品に出演するんですが、ハリウッドのエージェンシーとも契約ができそうで。大きなチャンスをつかむ可能性があります。
世界に誇れる、日本のファンクラブの組織力
EXILEや三代目は、もうグループ全体としては簡単には海外展開をしにくい。個人として様々なことで世界を視野に入れて活動していくと思います。また、GENERATIONS以下のJr.EXILE世代に関しては、ボーイズグループとして世界を視野に入れて、マーケットを広げていきたいという思いがあります。
Jr.EXILE世代は、語学力も身に付け世界を視野に真剣に取り組んでいます。しかし、日本語のままでも世界に通用すると言う世界的なアーティストのアドバイスが結構多いのも現実で。もちろん英語でちゃんとパフォーマンス出来るほうが可能性がたくさんあると思うんですけど、でも日本語と英語を混ぜてというスタイルでもいける時代。そこを決めるのは、聴く側なので。今、世界の人と接すると、昔じゃ考えられないくらいにアジアに関心が向いているのも感じていますし。本当に何が起こるかわからない時代になってきているなと強く感じています。
あとは、海外の人と話してびっくりされるのが、ファンクラブなどの日本のファンの皆さんの組織力ですね。LDHには今、多くのファンクラブ会員とモバイル会員のみなさんがいます。こういう有料の会員制度がある国はあまりないらしいんです。日本では当たり前だと思われる仕組みが、海外にアプローチしたときに武器になる。ファンクラブという組織を改めて大切にして、今まで以上にファンクラブの皆さんと直接触れ合うことのできる場を増やして、より濃い結束力を作ることができればと思っています。
ヨーロッパではDJのAfrojackがオーディションで選んだ、ガールズグループを作りました。1人は、EXPG出身の日本人です。みんな10代ですけど、とにかく歌がうまい。Afrojackという著名なプロデューサーが手掛けるので、具体的な展開が楽しみですね」
(日経エンタテインメント! 羽田健治)
[日経エンタテインメント! 2019年3月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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