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一見「風邪」だが実はちがう 受診すべき6つの症状

風邪の「真」常識(2)

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

風邪はありふれた病気だが、「汗をかくと風邪が治る」「風邪は抗生物質(抗菌薬)で治る」など、間違った認識を持っている人も少なくない。そこで風邪に詳しい総合診療医・感染症医で北海道科学大学薬学部客員教授の岸田直樹さんに、誰もが知っておくべき風邪にまつわる正しい知識を3回にわたって解説してもらう。今回は、「医療機関に行くべき症状」をまとめた。

岸田さんによると、風邪とは「自然に治るウイルス性の上気道感染症」。200種類以上もある風邪の原因ウイルスを殺す薬は現時点で存在しないし、もともと自然に治る病気なので、健康な成人であれば、医療機関を受診する必要もないという(詳細は前回記事「本物の風邪は受診の必要なし まず3症状をチェック」を参照ください)。

しかし、それはあくまで「本物の風邪」の場合だ。一見、風邪のような症状が表れても、実は風邪ではなく重大な疾患のこともある。そんなときは、もちろん早めに受診したほうがいい。では、どのような症状が表れたら「風邪ではない」可能性を考えるべきだろうか? 岸田さんに具体的な例を6つ挙げてもらった。

1. 38℃以上の高熱が3日以上続く

風邪をひいて初日に38℃を超える高熱が出ることも少なくない。しかし、風邪による高熱は長くても2日くらいしか続かないことが多い。「3日続いたら、ウイルスではなく、細菌による感染症の可能性が高まります」と岸田さんは指摘する。

「また、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺がん、間質性肺炎など、肺に持病がある人が38℃以上の熱を出したときは3日待たずにすぐに受診したほうがいいでしょう。COPDの急性増悪といって急に症状がひどくなることがあるからです。間質性肺炎の人が細菌感染すると危ないですし、肺がんの人も健康な人に比べて細菌感染しやすいので注意が必要です」

風邪の3症状である「咳(せき)」「鼻水」「のどの痛み」がまったくなく、38℃以上の熱だけの場合も風邪ではない可能性が高い。

「本当に熱だけかどうかは1日目だけでは判断が難しいですが、そういう場合は3日ではなく、2日続いた時点で受診すべきです。腎臓が細菌感染している腎盂(じんう)腎炎などが考えられます」(岸田さん)

2. いったん良くなりかけてぶり返す

前回「本物の風邪は受診の必要なし まず3症状をチェック」でも触れたように、風邪をひくと多かれ少なかれ「咳」「鼻水」「のどの痛み」という3症状が通常表れる。「48時間以内にこの3症状がそろってくれば、風邪と考えていいでしょう。特に鼻水の症状が強い場合は命に関わる重大な病気であることはあまりなく、風邪であることが多い」と岸田さん。

ところが、いったん良くなりかけたのにぶり返すことがある。いわゆる「風邪をこじらせた」状態で、改善傾向にあると思っていたら再び高熱が出る、咳がひどくなる、といったときだ。こういうときは細菌に感染していることも少なくない。風邪のウイルスによって鼻やのどの粘膜が炎症を起こすと、免疫力が落ちて細菌に感染しやすくなってしまうのだ。

「体調悪化のピークが2回あることから、これを『2峰性の病歴』と言います。最初は咳、鼻水、のどの痛み、発熱の症状が出て、いったん良くなりかけたのにその後、数日してから再度発熱するなど体調が悪化した。その場合、1峰目は風邪、2峰目は2次的に細菌感染した可能性も考えられます」(岸田さん)

風邪のようにウイルスに感染した場合、鼻やのどなど複数のところに症状が表れるのが特徴だ。一方、細菌は「原則として一つの臓器に1種類の菌が感染する」ので、一つの症状が強く表れやすい。例えば鼻水だけがダラダラ出続け、頬(ほお)の片側に痛みがある場合、細菌性副鼻腔炎などが考えられるという。こういうときはすぐに受診しよう。

3. 寒くてガタガタ震える

発熱すると寒さを感じやすくなるもの。それにはランクがあり、最も強いものはガタガタと体が震え、止めようと思っても止まらない。これを医学的には「悪寒戦慄(おかんせんりつ)」と呼ぶが、風邪でこのような状態になることはめったにない。「細菌感染している可能性が高まります」と岸田さんは指摘する。悪寒戦慄がある場合は、早めに受診したほうがいいだろう。

「悪寒戦慄に加えて咳があるときや、先述した『2峰性の病歴』(症状が改善傾向にあったものの、悪寒を伴う発熱を起こす)がある場合は、肺炎の可能性があります。また、健康な成人と違って、高齢者は風邪だと思っていたら肺炎だったということも多いので、注意してください」(岸田さん)

一般に高齢者は風邪をひきにくいという。ワクチンの原理と一緒で、同じウイルスに感染した場合、2回目以降は症状が重くならない。そのため、高齢者は風邪をひいても気付かないくらい軽くすむことが多いのだ。それだけに、高齢者の場合、悪寒戦慄がなくても、症状が重いときや、寝汗をびっしょりかく場合(シャツを交換するほど)は要注意と心得て医療機関を受診しよう。

4. のどに痛みを感じるのに、つばを飲み込んでも痛くない

風邪でのどが痛くなるのは、のどの入り口にある扁桃(へんとう)腺がウイルスに感染しているため。食べ物やつばを飲み込むと痛みを感じる(嚥下時痛[えんげじつう])。一方、のどが痛いのに、つばを飲んでも痛くない場合は風邪ではない可能性が高い。

「例えば、心筋梗塞で首が痛いと感じることがある。放散痛といって、痛みが首や肩、のどなどに放散することがあるんです」(岸田さん)

風邪であれば通常は嚥下時痛があるはずだ。心筋梗塞を風邪と勘違いしては命にかかわりかねない。つばを飲み込むだけというとても簡単なチェックなので、ぜひ実行してほしい。

5. 咳をすると胸が痛い、痰(たん)に血が混じっている

前に触れたように、風邪をひくと粘膜が炎症を起こして細菌に感染しやすくなる。成人の場合、最も多いのは肺炎だ。細菌性の副鼻腔炎や中耳炎を起こすこともある。

咳や呼吸をすると胸が痛いときは、肺炎や胸膜炎の可能性がある。また、血痰(血が混じっている痰)が出る場合には結核に感染している可能性があるという。結核は不治の病ではなくなったが、撲滅されたわけではなく、日本は先進国の中では結核患者が多い。症状が似ていて風邪だと勘違いされやすいので注意しよう。

「血痰が出るときは肺炎、肺がんも考えられます。呼吸するとき胸が痛いなら胸膜炎かもしれません。このような症状が見られたら受診したほうがいいでしょう」(岸田さん)

6. 咳が3週間以上続いている

風邪が治った後に咳の症状だけ長く続くことがある。最も多いのは「感冒後咳(かんぼうごせき)」という風邪の残り火のようなもので、この場合は2週間程度で自然に治っていくことが多い。咳が長く続いても初期に風邪の3症状(咳、鼻水、のどの痛み)があったときは重大な病気である可能性は低い。

「逆に最初から咳だけというのは心配です。また、咳が3週間以上続くときも要注意。医療機関を受診したほうがいいと思います」(岸田さん)

咳が3週間以上続いているときは肺がん、咳喘息(ぜんそく)、結核などの病気になっている可能性があるという。そのほか、後鼻漏(鼻水がのどに流れる)や胃食道逆流症(胃液が食道に上がってくる)によって咳が続いていることもある。

長引く咳といえば、2018年には百日咳も流行した。百日咳菌という細菌の感染によって起こる感染症だ。「大人がかかってもそれほど心配はない病気ですが、生後1年以内の乳児だと命の危険もある。妊婦や乳幼児はくれぐれも注意してください」と岸田さんは話す。

今回は風邪と混同しがちな別の病気について説明したが、次回は「本物の風邪」の予防策について説明しよう。

(ライター 伊藤和弘、図版 増田真一)

岸田直樹さん
総合診療医、感染症医、感染症コンサルタント、公衆衛生修士(MPH)、北海道科学大学薬学部客員教授、一般社団法人Sapporo Medical Academy代表理事。2002年旭川医科大学卒業。手稲渓仁会病院総合内科・感染症科チーフ兼感染対策室長などを経て14年よりSapporo Medical Academy代表理事。日本内科学会総合内科専門医。日本感染症学会専門医・指導医。著書に『誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた 重篤な疾患を見極める!』(医学書院)など。

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