生涯現役社会を目指すには評価体系の見直しは重要です。ただ根本的な見直しは現役世代にも影響するので時間がかかります。宇佐川氏は「勤務先では実力が過大に評価されがちだということを自覚することが大切です。定年間際に転職して同じポスト、同じ報酬が得られるシニアは多くありません。職場では一歩引いた謙虚な気持ちを持つことが長く幸せに働くには重要です」と助言しています。

リクルート次世代事業開発室の宇佐川邦子氏「企業側がシニアに求めているのは『かわいらしさ』」

リクルートはシニアの知力、体力、特性を客観的に測る「からだ測定」を2017年夏に開発しました。生涯現役社会の到来に向けて、企業やシニア本人が働く実力を客観的に知る機会を提供する目的です。開発を主導した同社次世代事業開発室の宇佐川邦子氏にシニアが末永く働くための心得を聞きました。

――「からだ測定」とはどのようなものですか。

リクルート次世代事業開発室の宇佐川邦子氏

「簡単な体力測定や性格診断、知能テストなどを約30分で実施し、同年代の中でその人自身がどのくらいに位置するのかを知ってもらいます。特徴的なのは性格診断を基にした特性判断です。課題への取り組み姿勢、対人能力、感情の起伏を軸に8つのタイプに分けます。これら客観的な診断結果に基づき、どんな仕事、どんな役割が向いているかも助言が可能です」

「高齢社会を迎えて60歳以上の就業率は高くなっています。定年延長や再雇用などで長年勤めた会社にそのまま勤め続ける事例も広がっています。ただ、新卒採用から長く同じ会社に勤めていると、自分の働く実力がどの程度なのかを客観的に知る機会がありません。現状は年齢で一律に判断されがちですが、たとえ同年齢であっても知力や体力などは千差万別です。そこで高齢期を迎えるにあたり、一度客観的に自分自身を棚卸しする機会を提供したいと考えました」

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