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小沢コージのちょっといいクルマ

ホンダN-VAN ヒット生むビジネス常識を疑う力

2018/10/18

2018年7月13日に発売された新型軽バン「N-VAN(エヌバン)」(メーカー希望小売価格税込み126万7920~179万9280円)。8月20日時点で累計受注台数が1万4000台を超えたという

ホンダの新作軽商用バンとして19年ぶりに登場したN-VAN。発売から1カ月での累計受注台数は1万4000台超えと好調だが、実はこのN-VAN、一般的な軽商用車とは異なる造りになっている。なぜあえて「常識」に挑戦をしたのか。記事「快作ホンダN-VAN N-BOXの代わりにはなりません」で試乗を終えた小沢コージ氏が、商品開発責任者の古舘茂氏を直撃した。

■けっこうな常識破りなのでは?

小沢コージ(以下、小沢) 古舘さん、考えてみるとN-VANってけっこうな挑戦ですよね。今の軽商用車、軽バンや軽トラックはほとんどが運転席下や真ん中床下にエンジンを置く「キャブオーバー」といわれるレイアウト。そのほうが荷室面積は長くなるわけで、かたやN-VANは、同じNシリーズで大ヒット中のN-BOX譲りのFF(前輪駆動)レイアウト。いいところもあるけど、ノーズが長くなってスペース的には厳しい。けっこう勇気がいるような。

古舘茂商品開発責任者(以下、古舘) いりますね。

小沢 デカい商用バンを見ればそれは歴然で、ダントツ人気のトヨタ「ハイエース」にしろ、そのライバルの日産「NV350キャラバン」にしろ、キャブオーバーじゃないですか。結局それがバンの常識で、前列後ろの室内長が3メートル以上ないとプロの職人に使ってもらえない。「デカい畳がそのまま積めないとダメ」みたいな理由で。素人目にはFFミニバンのホンダ「ステップワゴン」やトヨタ「ヴォクシー」の強化商用版で十分な気もするんですが。

古舘 それは軽も同じです。建築業界でいう長さ180センチメートル、幅90センチメートルのコンパネ(コンクリート型枠用合板)が載らなければお話にならないと言われてまして、軽バンでも軽トラでもそれがラクに載るというのがセールスポイント。実はN-VANも数枚なら載るんですけどね。

小沢 素人にはよく分からない、プロならではの目線であり、流儀ですよね。「マグロは大間に限る!」みたいな(笑)。でもよく聞くと、本当に重要なのかなと思う部分もあったりして。

商用軽バンは「長さ180センチ、幅90センチのコンパネが載らなければお話にならない」と言われたというが……

■意外と思い込みな部分もある

古舘 そうなんです。今回もいろいろユーザー調査をしましたが、最初はすごく怒られたんです。「これくらい積めなきゃダメだ」と。しかしよくよく「普段どうやって使ってるんですか」とか「どうやって積んでいるんですか」などと聞いてみると、実際にコンパネをコンクリート固め資材として使う場合は、一度に大量に大型トラックで運んで現場に置いておくというし、軽バンで運ぶ場合は「コンパネ1枚持ってこい」とか「これだけ持って帰って」ということも多い。

小沢 なんだ。だったらN-VANで十分じゃないですか(笑)。

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