高音質で耳にも優しい オーダーメードイヤホンを作る「年の差30」最新AV機器探訪

須山 ビジネスとして本格化したのは06年ごろですね。個人向けにオーダーメードイヤホンを作り始めたのは08年ごろです。

小原 事業はすぐ成長したんですか。

須山 最初は全体の1割以下でしたが、3年前に歯科技工分野の売り上げと逆転しました。今は55%ほどが補聴器やイヤモニ、オーダーメードイヤホンの売り上げです。

小沼 すごい! 趣味が身を助けた結果ですね。

「持ち運べるオーディオルーム」

小沼 小原さんも普段からフィットイヤーを愛用していますよね。

小原 何種類か持っていて、環境によって使い分けています。

小原さんが使っている「FitEar TITAN」。チタンコーティングされ、「夏場は冷たくて気持ちがいい」らしい

須山 きょうの小原さんのものは「FitEar TITAN」というモデルですね。フィットイヤーには複数のラインアップがあり、5万円から30万円のものまで用意しています。

小沼 30万円! 本格的なオーディオをそろえるのと同じくらいの金額ですね。

小原 今回小沼さんが製作するのは4万9800円(税抜き)のエントリーモデル「FitEar ROOM」ですが、それでもなかなかのモノだと思いますよ。

小沼 どんなところがフィットイヤーの魅力なんでしょうか。

小原 小さな音量でも情報量が多いことです。普段、家のオーディオで聴こえている音が、外出時に聞き取れないと物足りなく感じますが、フィットイヤーはそれがない。使っていて気持ちがいいですね。

小沼 オーダーメードで耳にフィットする、遮音性の高さに由来するのでしょうか。

小原 それもありますし、イヤホン自体のダイナミックレンジ(音の大小を再現できる範囲)が広いこともあるでしょう。高い音も低い音も、細かな音も聞き分けられるので、例えばクラシックを聴くのに向いていますね。

須山 「持ち運べるオーディオルーム」がコンセプトなんです。電車やバスのような騒がしい場所だと音量を上げてしまいがちですが、耳を痛める危険もあります。静かな環境を作り出すことで、小さな音量でもしっかり楽しめて、耳に負担をかけずに済むようになります。

小沼 そうか、小さな音で聞けるということは耳の負担も小さくなるということなんですね。

小原 初めて聴いたとき、これはすごいと思いました。本当に周りの音が聞こえなくなりますから、電車などで聴くには素晴らしいですね。ただ、歩きながら使うのは危険です。小沼さんは歩くときも買い物をしているときも音楽を聴いているそうですから、気をつけて。

小沼 そんなに遮音性が高いんですか。で、これから耳型をとるわけですが……ちょっと緊張してきました。

シリコン印象材を耳に注入

須山 全体の流れとしては、耳に関するアンケートにお答えいただいた後、耳の穴を目視で確認。問題がなければ型を取るためのシリコン印象材が鼓膜側に行かないようスポンジを入れ、シリコン印象材を耳に注入します。

最初に耳の治療や手術をした経験はないかなど、簡単なアンケートに答える
シリコン印象材。2種類を混ぜ合わせたものを使用する

小原 耳掃除してきました?

小沼 いつもより念入りにしてきましたよ!

須山 耳型を取るうえで問題はないようですね。では、スポンジを入れて、シリコン印象材を入れていきます。

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