海外ドラマでもアメコミ人気が沸騰 1・2位を占拠
2018年8月 海外ドラマ月間レンタルランキング
ハリウッドでブームとなっているアメコミ(アメリカンコミックス)の映画化。テレビドラマにもその波が押し寄せ、2大レーベルであるマーベル、DCの両陣営でドラマ化が相次いでいる。TSUTAYA海外ドラマ月間レンタルランキング8月度では、1位と2位をアメコミ作品が占め、日本でも人気の高さを証明した。
1位の『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』はマーベルの映画『X-MEN』シリーズから派生したテレビシリーズ。全米では2017年10月からFOXで放送がスタート。映画版を手がけるブライアン・シンガーが製作総指揮を務め、『レギオン』(17年2月よりFXで全米放送開始)に続くドラマ化第2弾となる。
舞台は、X-MENが姿を消し、ミュータントが厳しく管理されるようになった世界。ミュータントの犯罪を取り締まる検察官リードは妻と2人の子どもと幸せな生活を送っていたが、子どもたちが超能力に目覚めたことで、政府組織に追われる立場となる。映画版の延長線上にある世界で、新世代X-MENと政府組織の抗争が激化していくさまが描かれる。総勢30人を超えるミュータントが登場するのが見ものだ。
2位の『クライシス・オン・アースX 最強ヒーロー外伝』は、アロー、フラッシュ、スーパーガールらDCのヒーローが大集合して戦うアクション大作。米THE CWで放送されている『ARROW / アロー』『THE FLASH / フラッシュ』『レジェンド・オブ・トゥモロー』『SUPERGIRL / スーパーガール』のクロスオーバーエピソードとして、全米では17年11月27、28日と2夜連続で放送された。
フラッシュことバリー・アレンの結婚式に出席するために集まったヒーローたちの前に、ナチスが支配するもうひとつの地球からきたヴィラン(悪党)たちが現れ、すさまじい攻撃を開始。ヒーローたちは力を合わせて応戦するというストーリーだ。
TSUTAYA レンタルユニット 映像チーム海外ドラマ担当の中山知美氏は、アメコミ作品の人気をこうみている。「もともと海外ドラマにおけるアメコミ作品の人気は高く、マーベルとDCを合わせて11作品がレンタルリリースされています。いずれも40代以上の男性に支持されており、2作品以上見ている人が約6割もいます。それぞれの世界観の中でキャラクターが交差しているので、他の作品にも興味を持たれる方が多いようです」
マーベルには『X-MEN』シリーズ以外に、映画『アベンジャーズ』から派生した『エージェント・オブ・シールド』や、アベンジャーズの戦いの後のニューヨークを舞台にした『マーベル/デアデビル』などの既発シリーズがあり、それぞれ新作リリースも控えている。DCからはDC初の黒人ヒーローとなる『ブラックライトニング』が新作で控えるほか、既発シリーズの新作も予定されている。来年にかけて、アメコミ人気はさらに続きそうだ。
■1980年代カルチャーが満載
TSUTAYAの中山氏が挙げる今月の注目作は、4位の『ストレンジャー・シングス 未知の世界』。83年、インディアナ州の小さな町ホーキンスで起こった12歳の少年の失踪事件をきっかけに、超能力を持つ少女の出現など不可解な出来事が起こり、平和な町に隠された秘密が暴かれていくというストーリー。16年7月からネットフリックスで配信が始まり、世界的な人気を呼んでいる。
「8月下旬リリースのため8月度は4位となりましたが、今年リリースの新規作品の中でNo.1になりそうな人気です。80年代カルチャーをオマージュした内容で、『E.T.』『グーニーズ』『スタンド・バイ・ミー』をほうふつとさせる設定により、当時を知る40歳前後の男性を中心に熱烈なファンを獲得しています」(中山氏)という。アメコミ作品と同様、40代男性の支持を得て、しばらく上位にランクインを続けそうだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。