『X-ファイル』新作1位 人気作の復活ブームは続く
2018年7月 海外ドラマ月間レンタルランキング
近年、海外ドラマの大きなトレンドが、往年の大ヒットシリーズが復活していること。今夏は、1990年代に一大ブームを呼んだ2大人気作『X-ファイル』『ツイン・ピークス』の新作が相次いでリリース。往年のファンである40~50代に支持され、TSUTAYA海外ドラマ月間レンタルランキングで1位と8位にランクインした。
1位となった『X-ファイル 2018』は、2年前に『X-ファイル2016』として14年ぶりに復活した人気シリーズの新作。『X-ファイル』はFBI捜査官のモルダーとスカリーの名コンビが未解決事件に挑む超常現象サスペンスで、1993年に全米で放送が始まると熱狂的なファンを生んだ。
『X-ファイル 2018』は全米では1月からFOXで放送された。今回もクリス・カーターが製作総指揮にあたり、モルダー役のデイビッド・ドゥカブニー、スカリー役のジリアン・アンダーソンらオリジナルキャストとスタッフが再集結した。モルダーとスカリーの息子ウィリアムが、シリーズを通じて初めて登場するのが大きな見どころだ。1話完結の全10話で、UFOから遺伝子操作、カルト教団、魔女伝説まで多彩なエピソードが展開する。
TSUTAYA レンタルユニット 映像チーム海外ドラマ担当の中山知美氏は、『X-ファイル』の変わらぬ人気の理由をこうみている。
「前作の『X-ファイル 2016』が全6話に対し、『X-ファイル 2018』は全10話にエピソード数が増えて、スケールもアップして、ファンの満足度も上がったようです。『X-ファイル』らしい遊び心のあるエピソードや、全シーズンを通してモルダーやスカリーが追ってきた<政府によるエイリアンをめぐる陰謀>という謎の核心に迫る内容が受けて、かつてのブームを支えた45~55歳の男性を中心に見られています」
■リンチ監督が描く「18時間の映画」
8位に入った『ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ』(日本放送時タイトル『ツイン・ピークス The Return』)は、1990年代に日本でも社会現象となり、近年の海外ドラマブームの先駆けとなった大ヒット作が25年ぶりに復活。
米国のワシントン州の田舎町ツイン・ピークスで起こった女子高生ローラ・パーマーの殺人事件をめぐる謎を描いた前作の25年後を描く。企画・製作総指揮・脚本を手がけるデイヴィッド・リンチが、ひとつの完成された脚本を基に全18章の監督を務めることで、「18時間の映画」のように作られているのが特徴。
主人公であるクーパー捜査官役のカイル・マクラクラン、ローラ・パーマー役のシェリル・リーら前作のキャストに新キャストを加え、総勢217人の豪華俳優陣が登場する。日本人女優の裕木奈江が、異次元でクーパーを導く謎の女性役で出演しているのも話題だ。
「VHS全盛期に、『ツイン・ピークス』を求めて近所のレンタル店を何軒もはしごする人が続出した伝説の海外ドラマです。当時20代だったファンが、現在40代になり、新作を借りています。前作は多くの謎が残されたまま終わっており、その謎解きの楽しみにハマっているようです」(中山氏)
また、旧シーズンのデジタルリマスター版も新旧ファンに借りられている。「後追いの20代と、復習を兼ねてご覧になる40代に多くレンタルされています」(同)という。
昨年は、やはり往年の大ヒット作である『プリズン・ブレイク』『24-TWENTY FOUR-』が復活。2017年TSUTAYA年間レンタルDVDランキングで『プリズン・ブレイク』シーズン5が1位、『24-TWENTY FOUR- レガシー』が2位となる変わらぬ人気をみせた。この2作は、それぞれ新作の企画が進行中とのこと。復活ブームはさらに続きそうだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。