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立川談笑、らくご「虎の穴」

「心が震えた」私の高校柔道部物語 立川談笑

2018/9/2

写真はイメージ=PIXTA

 この連載は私と弟子とが交代でつづるエッセーです。高座では、落語本編に入る前にちょっとした雑談みたいなものをお話します。頭に添えるから「マクラ」。そんな感じでしゃべるつもりで書いています。気楽に読み流して下さい。

 きょうはわりと恥ずかしい話。私の、高校時代の部活の思い出です。

 題して、柔道部物語!

 公立中学では柔道部に所属していました。高校受験の末に進学した先は、都内にある私立海城学園。今では中高一貫校ですが、昔も今も、どっぷりと男子高。そしてまぎれもない進学校。ただし、部活動にも熱心な学校でした。私は、「もう柔道部は辛いからよそう」と中学で懲りていたつもりでしたが、やっぱり同じ柔道部に入部してしまったのです。

「まさかこれほどつらいとは」

 その柔道部。いざ練習に参加してみると、進学校とは思えないくらい圧倒的に体育会系。柔軟や筋力トレーニングがハードで念入りなので、連日ボロ雑巾のようになるほど体力を消耗するし、技術的にも立ち技だけでなく、絞め技・関節技もバリエーションが豊富になっていきます。柔道のイメージが私の中でスポーツから格闘技に変わった気がしました。それでも、柔道場の施設も充実していて、新入生なりの漠然とした不安がありつつも同時にワクワクしていたのを覚えています。

 夕方、部活を終えての帰り道は、充実感と解放感に満ちた楽しいひとときでした。ずいぶんな強度で痛めつけた身体を重く引きずりつつ、早くもいきつけになった店に立ち寄るのが常で。炭酸飲料や牛乳を飲みながら互いの中学時代の話なんかを交換する。新入生の柔道部員は、あれで私を含めて10人以上いたのかなあ。

 考えてみると、上級生の2年生はたったの3人。その上の3年生も同じく3人だけ。どうして上級生たちは3人ずつしかいないのだろうね、という疑問も話題の一つではありました。

 そして疑問はすぐに解けました。というのも、やっぱり練習がきつかったんです。体力や気力の限界ラインを『今』よりも先に伸ばす作業は、どうしたって気楽なトレーニングでは済みません。「まさかこれほどつらいとは……」と一緒に入った新入生たちがどんどん辞めていきました。まあ、辞めるわ辞めるわ。

 その過程で、結局柔道部を辞めてしまったけれど、すさまじい根性を見せつけた男の話をします。

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