時計選びは用途別に3つのシーンから選択する、という方法をお薦めし、前回掲載「ドレスウオッチ、小径に回帰 復刻、カラー文字盤も」では、比較的フォーマルなシーンにふさわしいドレスウオッチを紹介した。今回は、ビジネスパーソンの主戦場であるビジネスシーンで何をチョイスするかを考えたい。
ケースはできるだけシルバー色を選びたい。そうなると、素材はステンレススティール、ホワイトゴールド、プラチナあたりに絞られる。近年は研磨の技術が飛躍的に向上しているので、チタン素材も入れていいだろう。
以上を踏まえて、ビジネスシーンにふさわしい腕時計を3つのカテゴリーに分けて考えてみた。
《Watch Special 2018》
(上)ドレスウオッチ、小径に回帰 復刻、カラー文字盤も
(下)カジュアル時計、スポーティーでも小型・繊細・薄型に
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■復刻モデル
まずは、2018年の新作でも数多く見られた、かつての名作時計を再解釈した復刻モデルだ。当時の雰囲気を残したヴィンテージデザインならではの魅力を、最新のスペックでアップデートした腕時計である。デザイン的にも普遍性を備えたものが多く、スーツやジャケットスタイルにもフィットするものだ。
2018年モデルで、その代表的なものがカルティエの「サントス ドゥ カルティエ」だ。復刻というより、久方ぶりのリニューアルという感じだが、そのファーストモデルは1904年。初の男性実用時計として誕生しており、当時のフランス・パリの幾何学的な美意識にのっとったスクエアフォルムやベゼル(文字盤を囲む枠)を飾る8本のビスなど、エレガントで特徴的なスタイルを持っている。
新作モデルも、デザインの基本要素はそのままに、緩やかな丸みを帯びたベゼルのラインが、新たにブレスレットへと流れるラインを形成し、新しさを表現している。また、豊富にそろえられたストラップを簡単に交換できる独自の「クイックスイッチ」方式が装備されているのも新しい魅力だ。
ヴァシュロン・コンスタンタン「フィフティーシックス」も、1956年に発表されたモデル「リファレンス 6073」から着想を得て製作されたもの。モデル名は製作年の「56年」からとられている。このベースモデルが誕生した1950年代は、ラウンドケースの黄金時代。さまざまなデザインのプロダクトが誕生した時代で、時計界にも多くの画期的なモデルが登場した時期だ。
《Watch Special 2018》
(上)ドレスウオッチ、小径に回帰 復刻、カラー文字盤も
(下)カジュアル時計、スポーティーでも小型・繊細・薄型に