新任女性役員2人、仕事への思い&モットーを聞く

森美和子さん(左)と馬場久美子さん
森美和子さん(左)と馬場久美子さん

新年度を迎えた。トヨタ自動車が役員に生え抜きの女性を初めて起用するなど、女性の活躍が広がる。働き方が多様化するなか、一般職から総合職に転換したり、転職したりしてキャリアを積むことはもはや当たり前。今春、役員に初めて就いた女性2人を追った。

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気張らずありのまま 東京海上日動執行役員・森美和子さん

東京海上日動火災保険の執行役員に1日就任した森美和子さん(54)は傷害保険などの分野で、事務処理や新商品の開発を担う本店損害サービス第二部の責任者だ。森さんは「ありのままの自分で仕事に接したい」と控えめ。それは、約5年前に初めて本社の部長になってから経験したことがきっかけだ。

2013年、管理職が参加する会議でのこと。参加者は男性ばかりだった。どことなく「みんなが立派に映った」と森さん。「論理的に意見を言わなくては」。焦りを感じて、会議での発言は空回りしてしまった。

今春、執行役員になる東京海上日動の森美和子さん(東京都港区)

苦悩するなか、職場の人に相談すると「そもそも会議は多様な意見があってこそ。自分の意見を素直に言えばいい」と助言を得た。「ありのままで」。その頃ヒットしていた映画「アナと雪の女王」のキャッチフレーズが心の中にすっと入ってきた。以来、その言葉がモットーだ。

1984年、一般職として入社。当時は出世など考えていなかった。何となく「寿退社するのかな」と思っていたが、いざ結婚した時は目の前の仕事がちょうど面白くなってきていた。入社以来約30年間、自動車保険一筋だ。

ある日、ビル解体の現場で自動車事故が起きた。現場はフェンスで囲われ、目撃者がいる可能性は低い。契約者の言い分を基に案件を解決しようとすると、上司からこう言われた。「ちゃんと自分の足を使って確認したのか」

現場に何度も通った奔走の結果、やっと目撃者を発見。事故が契約日よりも前に起きていたことが分かった。「自分で確認する必要性を痛感した」。自動車保険を深く勉強したいと思い05年、全国への転勤を伴う総合職に転換した。名古屋や金沢などで要職に就き、単身赴任の生活は延べ約10年にも及ぶ。

損害保険業界は車の自動運転の技術が急速に進歩し、そのあり方が問われている。森さんの今の職場は約350人。大所帯だからこそ、社員ら一人ひとりの声を拾い、発想を生かせる仕組みづくりが必要だと感じている。

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役割、自分で考える JFEエンジ常務執行役員・馬場久