「ポルシェを考えてみてほしい。多目的スポーツ車(SUV)の『カイエン』や4ドアスポーツ車『パナメーラ』を発表したとき、『911』を愛するマニアはなんと言ったか。『ポルシェは大きな間違いを犯した』『カイエンのデザインはギーク(グロテスク)』と口々に批判した」

「だが実際には、カイエンは大成功している。ラグジュアリーブランドであるブライトリングも、陸海空それぞれのエリアで商品群を再構築していく。今後は、クールでありながらインフォーマル(堅苦しくない)といったイメージも目指す」

◇   ◇   ◇

米国でブライトリングは、ロレックス、パテック・フィリップ、カルティエに次ぐ4番手の高級時計として成功を収めている。ドイツや日本での売り上げも堅調だ。100万円以下の価格帯で豊富な品ぞろえが強みともいわれている。

■過去の名作、再編集も

「狙うべきプライスゾーンは3500~8000スイスフラン(約40万~約90万円)。ここがブライトリングにとって最も重要な価格帯だ。このエリアにいるのはロレックスとオメガ。当社は下のカテゴリーに落とすつもりはないし、一方で上のカテゴリーは挑戦的すぎて遺産を生かせない」

上海のイベントでは、世界に先駆けて新作「ナビタイマー8」が披露された

「CEOに就き、ブランドの歴史を調べているうちにSNS(交流サイト)で見つけたのが、ブライトリングの世界有数のコレクター、オーストリア人のフレッド・マンデルバウム氏だった。彼はクロノグラフのコレクターで、ブライトリングの1939~75年の数百本を集めている。その彼が『ブライトリングのアーカイブの中には、世の中にもう一度出せるものがたくさんある』と言ってくれた。こうしたコレクターに愛されている品も、再編集して出してみたい」

ブライトリングの歴史を象徴するビンテージウオッチも会場で展示された

(編集委員 松本和佳)

後編「時計のデジタル化? そんな必要はない」もあわせてお読みください。

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